音更町の29年度教育行政執行方針=宮原教育長
(市町村 2017-05-25付)

音更町教育長宮原達史
音更町教委・宮原達史教育長

 【帯広発】音更町教委の宮原達史教育長は十七日、町議会第三回臨時会において本年度の教育行政執行方針を説明した。昨年度に引き続き、三十五人を超える学級を有する小学校に対し、町費によって計五人の臨時教諭を配置し、少人数学級などの指導によるきめ細かな教育を推進することを表明。また、本年度からコミュニティ・スクールの導入に向けた準備を進めていく方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

     ◇

▼学校教育

▽確かな学力の向上

 昨年度に引き続き、三十五人を超える学級を有する小学校に対し、町費によって計五人の臨時教諭を配置し、少人数学級などの指導によるきめ細かな教育を推進するとともに、全国学力・学習状況調査および標準学力検査などの調査結果の分析・検証を行い、各学校の学習指導の改善を図りながら、特に下位層の児童生徒の学力の向上に努めていく。また、道教委が作成するチャレンジテストの活用や補充学習などを実施し、基礎学力の定着に取り組んでいく。

 子どもたちの学力の向上には、基本的な生活習慣の確立と家庭における学習習慣の定着が大きな影響を与えていることから、本年度改訂する『家庭学習の手引き』および『家庭学習のすすめ』を全家庭に配布し、学校と家庭が連携して、子どもたちの家庭学習の定着に取り組んでいく。

▽豊かな心の育成

 小学校は三十年度から、中学校は三十一年度から「特別の教科 道徳」として教科化されることを踏まえ、各学校の道徳教育推進教師が中心となって、授業実践による指導力向上の研究などを進め、着実に推進体制の充実を図っていく。

 いじめや不登校対策については、未然防止と早期発見・早期解消が重要であり、町および各学校で策定している「いじめ防止基本方針」に基づき、組織的かつ迅速な対応が行われるよう学校や家庭と連携して取り組むほか、本年度も心理状況や学級集団での満足度などを分析できるハイパーQUアンケートを実施するとともに、結果の分析方法や対応策などの教員研修を実施する。

 また、教育相談体制については、心の教室相談員、教育推進員および学校教育相談員を引き続き配置し、ふれあい教室や関係機関と連携した取組を実施するほか、本年度から町に配置される臨床心理士の資格をもった発達相談専門員の活用も図っていく。

▽健やかな体の育成

 子どもたちの体力の向上については、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を音更町教育研究所が分析・考察してまとめている『音更町の子どもの体力と今後の取組』を活用して体力・運動能力の向上を図るほか、新体力テストを多くの学年で実施できるよう努めていく。また、体力づくり一校一実践、体育科の授業、休み時間などにおける基礎体力向上の工夫はもとより、少年団活動・部活動を奨励していく。

▽教育活動の充実

 小学校の外国語活動については、引き続き外部英語講師を各学校に派遣するとともに、三十二年度からの英語の教科化に向けて、本年度から道教委の「小学校外国語活動巡回指導教員研修事業」を活用し、小学校教員の外国語活動等の指導力と英語力の向上を図っていく。

 複式小学校六校については、引き続き複式教育学習支援員を配置し、複式学級における学年別指導の充実を図っていく。

▽信頼される学校づくり

 開かれた学校づくりについては、これまでも学校評議員制度によって取組を進めてきたが、この仕組みを発展させ、学校と地域が連携・協働して子どもたちの成長を支えていく学校づくりを推進するとともに、これを将来にわたって維持することが地域コミュニティの持続にもつながるよう、本年度からコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の導入に向けた準備を進めていく。

 また、学校教育は、教職員一人ひとりの資質・能力と指導力に大きく委ねられていることから、分かる授業の実践を基盤とした校内研修の充実はもとより、各種研修会や研究会などへの参加を促進し、指導力の向上を図っていく。

▽特別支援教育の充実

 特別支援学級に在籍する重度肢体不自由児等の食事や排泄などの生活介助を支援するため、引き続き五校に介助員を派遣する。

 学習支援員については、普通学級に在籍し、学習活動や学校生活に特別な支援を必要とする児童生徒を対象として配置し、支援の充実を図っていく。また、ことばの教室については、言語聴覚士を中心に、より専門的な指導や教育相談を進めていく。

▽教育環境の整備

 学校のICT環境整備については、小学校三校の教育用コンピューター機器を更新するほか、引き続き実物投影機の整備を進めていく。また、校務用支援システムによる校務の効率化を図っていく。

 就学援助については、認定基準倍率を昨年度から引き上げて対象範囲を拡大いたしましたが、所得の低い世帯の負担軽減を図るため引き続き実施するほか、高校生などへの奨学資金についても、引き続き実施する。

▼社会教育

▽学習機会の充実

 高度化する町民の皆さんの学習ニーズに対応し、受講者が主体的に学習する幼児家庭教育学級、女性ライフスクール、高齢者学級・大学・大学院、すべての小・中学校に開設する家庭教育学級に加え、本年度から書道講座を担当する嘱託生涯学習推進員一人を新たに委嘱するなど、家庭や地域の教育力の向上を図るため、多様な学習機会の提供に努めるほか、家庭教育相談事業などを実施していく。

▽図書館の充実

 子どもの読書活動の推進については、親子で本に親しむ環境づくりとして、乳幼児を対象とした十か月健診および二歳児健診におけるブックスタート事業のほか、昨年度から実施している新入学児童を対象としたリーディングスタート事業を引き続き実施していく。

 また、小・中学生に対しては、学校との連携による調べ学習等資料の提供や子どもたちが楽しく読書習慣を身に付けることができるような環境づくりに努めるとともに、読書感想文コンクール・絵本作家の講演会・子ども映画会などを実施するほか、中高生に対しては、読書意識をさらに高めてもらうため、ティーンズコーナーの設置およびリーフレットによる推薦図書の周知を引き続き実施していく。

(市町村 2017-05-25付)

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