札教研事業の春の研究集会―札幌市教委②「自由には責任伴う」

（学校 2017-06-16付）

資料の挿絵などを提示し、児童の意見を分かりやすくまとめた

　札幌市教委は十三日、市内の各学校等で二十九年度札幌市教育研究推進事業（＝札教研事業）の春の研究集会を開いた。国語や算数・数学、社会のほか、外国語、道徳など各教科等の研究部において、会場ごとに授業公開や講演等を実施。教職員の資質向上や教育の充実・向上を図った。

◆小・中合同道徳 北陽小

　北区・東区・西区・手稲区の小・中学校合同道徳の会場となった北陽小学校（高橋政人校長）では、五年一組「自分で考えて」（村上裕基教諭）の授業を公開。村上教諭は事前にアンケートを行い、児童に学習前の「自由」についての考えと比較させることで、自由には責任が伴うことに気づかせる授業を展開した。

　札教研小中合同道徳部では、研究主題を「考え議論し深く学ぶ道徳学習の在り方と評価」と設定。研究視点に①「対話的で深い学び」の実現②「学習状況や道徳性」にかかる個人内評価の在り方―の二点を位置付けて研究に取り組んでいる。

　授業は、「自分で考えて」の時間を公開。村上教諭は、本時のねらいを「（授業で使用した）資料内の〝子どもたち〟が考えていた〝自由〟について話し合う活動を通して、自由を大切にし、責任のある行動をしようとする道徳的実践意欲を育てる」と設定した。

　村上教諭は、事前に行った自由についてのアンケート結果を提示。児童の自由に対する考え方を確認したあと、読み物資料「遠足の子どもたち」を朗読した。

　物語は、電車に乗った子どもたちが騒ぎ出すのではないかと主人公が想像するものの、子どもたちが車内のルールを守りながら、自由に過ごしている様子に驚くという内容となっている。

　村上教諭は物語の挿絵をホワイトボードに掲示。挿絵ごとの主人公の心情などについて問いかけ、物語を整理させた。

　続いて、子どもたちの電車内での行動を確認。児童の「何をしてもいい」「ルールを守っている」といった発表と、授業前に児童たちが考えていた「自由」についての考え方と比較させた。

　このあと、村上教諭は「この子たち（資料内の小学生）が考えていた〝自由〟って何だろう」と発問。児童の「周りの人に迷惑をかけない自由」などの意見を取り上げ、自由には責任が伴うことに気づかせた。

(学校 2017-06-16付)