【解説】教員の「働き方改革」で諮問
(解説 2017-06-27付)

 松野博一文部科学相は二十二日の中央教育審議会の総会で、長時間勤務が深刻化している教員の「働き方改革」に関する総合的な方策について諮問した。審議の視点として、①学校が担うべき業務の在り方②教職員・専門スタッフが担うべき業務の在り方・役割分担③教員が使命感をもって子どもの指導に専念できる体制―の三点を示した。文部科学省は中教審の答申を踏まえ、年内にも緊急対策を打ち出す方針だ。

 松野文科相は「教員に対する多様な期待は長時間勤務という形で表れており、看過できない深刻な状況。具体的かつ実効性のある取組をさらに進めていく必要がある」と述べ、学校における働き方改革の総合的な見直しとして、三つの観点を挙げ、審議を要請した。

 一つ目は、これまで学校が担ってきた業務のうち、引き続き学校が担うべき業務は何かを明らかにすること。また、学校、家庭、地域、行政の役割分担の在り方と連携・協働を進めるための条件整備について検討するよう求めた。

 二つ目は、教員が教育専門職として子どもの指導に専念できるよう、教職員および事務職員、スクールカウンセラーなど専門スタッフが担うべき業務と役割分担。また、ICTの活用を含めた負担軽減策についても検討するよう要請した。

 三つ目は、教員が子どもの指導に使命感をもち、より専念できるよう、管理職も含めた学校組織の運営体制の具体的な在り方について。加えて、学校の特性や勤務状況を踏まえた教員の勤務時間の管理、処遇の在り方についても検討課題に挙げた。

 文科省が四月に公表した公立小中学校の教員勤務実態調査では、小学校で三三・三%、中学校で五七・七%の教員が週六十時間以上勤務し、過労死の目安とされる水準を超えていた。

(解説 2017-06-27付)

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