【解説】「若い世代の死因」自殺が最多(解説 2017-06-19付)
政府が先に閣議決定した二十九年版の『自殺対策白書』によると、昨年一年間に自殺した人の数は二万一千八百九十七人で、二十二年ぶりに二万二千人を下回った。しかし、十五歳から三十九歳までの五歳ごとのすべての年齢区分で死因の一位は「自殺」となり、先進七ヵ国の中で若年層の自殺の死亡率が事故を上回ったのは日本だけだった。厚生労働省では「若い世代の自殺は深刻な状況」としている。
自殺対策白書は、自殺対策基本法第一〇条の規定に基づき、自殺の概要および自殺対策の実施状況について、政府が毎年、国会に提出する年次報告書。
白書によると、全国の自殺者数は、平成十年以降、十四年連続して三万人を超える状態が続いていたが、二十四年に十五年ぶりに三万人を下回り、二十八年は前年に比べ二千百二十八人減少し、二万一千八百九十七人となった。
年齢別の動向をみると、四十歳代、五十歳代、六十歳以上は「ピーク時から大幅に減少している」、二十歳代、三十歳代は「ピーク時から低下がみられるものの、減少率は四十歳代以上と比べて小さい」と指摘。一方、二十歳未満は「十年以降概ね横ばい」と分析している。
ただ、厚労省が世界保健機関のデータをもとに人口十万人当たりの自殺者の数を比較したところ、約九十の国と地域のうち、日本の自殺死亡率はワースト六位で、特に、女性は三番目に高かった。
また、十五歳から三十九歳までの五歳ごとのすべての年齢区分で自殺が死因の一位を占め、特に、十五~三十四歳の若い世代について先進七ヵ国と比較可能な最新統計で死因を比較すると、外国は事故が一位なのに対し、日本だけは自殺が一位で、その死亡率も他国に比べて高くなっている。
(解説 2017-06-19付)
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