札幌市公立小中学校事務職員協議会　学校事務職員在職者研修　災害時の心構えを学ぶ

（関係団体 2017-08-02付）

「アルファ米」を野菜ジュースで調理する参加者

　札幌市公立小中学校事務職員協議会（能代隆行会長）は七月二十六日、札幌市内の道建設会館で学校事務職員在職者研修を実施した。市内小・中学校の事務職員四十五人が参加。㈱オフィスＲＭ代表取締役で、防災食アドバイザーなどとして活動する今泉マユ子氏を講師に招き、災害時における学校事務職員としての心構えを学んだほか、災害食などへの知識を深めた。

　同研修は、災害時における被災者への対応方法を学ぶことのほか、災害に備えるための知識を深めることを目的に実施した。

　はじめに、今泉氏は災害時に有効な食材や調理法を説明したほか、調理実習を実施。水などを入れ、時間がたつと食べることができる「アルファ化米」を紹介した。アルファ化米に野菜ジュースを入れることで、ビタミンなどを米とともに摂取できると説明し、参加者に調理させた。

　続いて「もしもに備える食　災害時でもいつもの食事を～避難所（学校）を支えるために教職員がまず知っておきたいこと」と題して講義。避難所運営のポイントとして、①土足厳禁②外国人への配慮③炊き出し担当はローテーションで行う―を提示。③について、一日三回、長時間働かなければいけないことなどから「炊き出し班が一番過酷」と述べ「なるべく人員を確保して、大勢の中でローテーションを」と呼びかけた。

　また、参加者に災害発生時は、市民などから情報を聞かれる立場になると指摘。「自分が住んでいる地域の備蓄に何があるか知っておいて」と呼びかけ、市の小・中学校など緊急避難場所に配置されている応急救援備蓄物資を紹介した。

　備蓄食品には、「アルファ化米」「クラッカー」「粉ミルク」「粉ミルクアレルギー用」が用意されているものの、水の備蓄がないことを指摘。市は市民に水などの備蓄を呼びかけていることなどを説明し、普段から災害に備えることの重要性を訴えた。

　食料の備蓄方法として、普段食べている物を少し多めに用意し、食べた分を買い足す「ローリングストック」を紹介。ローリングストックの利点として「自分の好みのものを備蓄できる」「賞味期限切れによる廃棄を減らすことができる」などを挙げたほか、災害時に「好みの食べ物が家にあることが安心につながる」と話した。

　講義後は、再び調理実習を実施。水と火を使わない料理について学んだほか、はじめに調理したアルファ化米などの試食会を行った。

(関係団体 2017-08-02付)