新しい北海道総合教育大綱決定　総力挙げ「北海道人」育成　基本方針５点のもと各種施策

（道・道教委 2017-11-07付）

　道は、新しい「北海道総合教育大綱」を決定した。新しい大綱では、今後、目指すべき人材である「その先の道を切り拓く北海道人」を学校や家庭、地域、行政など北海道の総力を挙げて育むことを基本理念に掲げた。その実現のために「ふるさと北海道への愛を育む」「力強く生き抜く力を育む」など五点の基本方針を設定。知事と教育委員会が緊密に連携し、基本理念のもと、各種施策を推進することとした。新しい大綱は、三十年四月に施行される。

　地方教育行政の組織および運営に関する法律（地教行法）において、地方公共団体の長は、教育基本法に規定する基本的な方針を参酌し、地域の実情に応じて、教育、学術、文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めることが規定されている。

　道では、地教行法に基づき、二十七年度に「北海道総合教育大綱」を策定した。その対象年度が二十九年度までとされていることから、北海道総合教育会議での協議や道議会の議論、道民からの意見などを踏まえ、新しい大綱案を作成。十月の本年度第三回北海道総合教育会議の了承を経て、新しい大綱を知事決定した。

　新しい「北海道総合教育大綱～〝その先の道を切り拓く北海道人〟を育む」は「基本理念」「基本方針」「施策体系」の三章で構成。

　基本理念では、今後、目指すべき人材を「その先の道を切り拓く北海道人」と定め、その人材を学校や高等教育機関、家庭、地域、行政、産業界、各種団体など北海道の総力を挙げて育むこととした。

　「その先の道を切り拓く北海道人」に関しては「北海道に思いを寄せる」「社会で自立し共に支え合う」「未来を切り拓く」の三つの柱を掲げた。

　それらの柱に対応する形で「ふるさと北海道への愛を育む」「力強く生き抜く力を育む」「子どもの学びの環境を整える」「社会で活躍し続けられる人を育む」「北の大地で輝き続ける人を育む」の五点の基本方針を設定。基本理念の実現に向け、知事と教育委員会が緊密に連携しながら、基本方針に基づく教育施策を推進することとした。

　教育施策には「ふるさとの歴史や産業への理解を深めるキャリア教育・職業教育」「幼児期からの質の高い教育」「学力・体力の向上」「教員が子どもに向き合う時間を確保するための取組」「グローバル人材や高度なＩＣＴ社会を担う人材、地域医療を担う人材の育成」などを盛り込んだ。

　施策体系では、大綱を踏まえ、知事と教育委員会が教育推進計画をはじめ関連計画に基づき、各種施策に取り組むこととした。

　大綱には、これら三章のほかに「人口減少・高齢化」「近づく世界との距離」といった本道を取り巻く情勢や課題などを「北海道の現状と展望」と題してまとめている。

　新しい大綱は、三十年四月に施行される。

(道・道教委 2017-11-07付)