電話相談事業をカード等で紹介　ＬＧＢＴ支援環境整備を　札幌市が１２月中に学校・園へ送付

（市町村 2017-12-05付）

　札幌市市民文化局は、十二月中に電話相談事業「ＬＧＢＴほっとライン」を紹介する相談カードなどを、市立学校・園の教職員に向けて送付する予定だ。同事業は性的マイノリティが抱える困難を解消するために、当事者や支援者が電話相談できるもの。教職員に対し、同事業の情報提供を行うことで、子どもの支援につなげる環境や相談できる環境を整えることを目指す。

　同局は、ことし六月から性的少数者、ＬＧＢＴに関する電話相談事業を実施。当事者の困難などを深く理解することができるよう、性的マイノリティ当事者を含む相談員を配置。性別違和や同性愛などの悩みを受け付けている。

　今回、子どもを支援する身近な大人が、ＬＧＢＴに関する悩みを相談できる環境を整えることが重要という考えのもと、市立の全幼・小・中・高・特別支援学校の教職員に向けて、同事業の周知徹底を図る。十二月中に、電話相談事業を紹介する相談カードとＬＧＢＴに関するリーフレットを全市立学校・園に送付する予定となっている。

　リーフレットでは、性の在り方について、①身体の性②心の性③好きになる性（性的思考）―の三つの要素があることを紹介している。また、ＬＧＢＴなどに関する用語などを解説している。

　同局は、教職員へ周知を図る理由として、年齢や発達段階によって、子ども自身が相談することが難しい場合や、相談カードを持っていることで周囲のからかいなどが生じる懸念があることなどを挙げている。教職員に同事業を知ってもらうことで、保護者への相談窓口の紹介など、適切な支援につなげてもらうことをねらった。

　同局では「電話相談を知ってもらうことで、現場での細やかな支援につながれば」と話している。

　ＬＧＢＴほっとライン（〇一一―７２８―二二一六）では、年末年始を除く毎週木曜日、午後四～八時に窓口を開設している。

(市町村 2017-12-05付)