全小中共通の様式を作成 学校経営計画改善へ名寄市教委
(市町村 2018-01-25付)

名寄市共通モデル表
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 【旭川発】名寄市教委は、市内の全小・中学校を対象に学校経営計画における市内共通モデル様式を作成した。市内の校長会や道教育大学大学院教育学研究科の笠井稔雄教授などと検討を重ね、三十年度からの学校教育目標を効果的に実現するため、各学校ごとに立案されている学校経営計画の見直しや、文言等の整理・統一などを図り、地域とともにある学校づくりを進めていく。小野浩一教育長は「各学校の特色も十分に出して、効率的に進めていきたい」と話している。

 モデル様式は、各学校の学校経営計画の見直しや、文言等の整理・統一を図るために作成したもの。作成に当たっては、校長会が中心となって、学校改善に結び付く経営計画となるよう検討を重ねるとともに、笠井教授などの助言を受けながら進めてきた。

 作成作業を進める中で「各学校によって多様な文言が使われており、共通理解が困難」「一年間の目標なのか、数年間の目標なのか曖昧」「学校課題が明確になっていない」などの課題が浮かび上がった。

 これらの課題解決を図るために、五つの改善の視点を設定。①文言や構成の整理・統一②目標達成の時期の明確化③学校課題の明確化④評価基準・評価方法の明確化⑤名寄市総合計画・名寄市学校教育推進計画等との連動―の五点とした。

 これらを踏まえ、学校の教育目標を効果的に実現するため、組織・運営の在り方などについて具体的な計画を立てていくよう取り組むこととした。

 小野教育長は、市内の全小・中学校の学校経営について見直しを図り、学校経営計画の様式を統一したものを市一体となって共有していくとした上で、「各学校の特色も十分に出して、効率的に進めていけたら」と話している。

 なお、現在は、市内の全小学校八校、中学校四校が作成中で、今後も検討を重ねながら、モデル様式の改善なども行う予定。

◆学校経営計画共通モデル様式

 名寄市教委が作成した学校経営計画共通モデル様式の概要はつぎのとおり。

【コンセプト】

▼学校改善に結び付く学校経営計画の作成

【学校経営計画の改善の視点】

▼改善の視点1「文言や構成の整理・統一」

▽各学校によって多様な文言が使われ、構成も様々であることから、文言や構成を整理・統一する。

▽市内共通モデルの学校経営計画は下記の構成とする。

Ⅰ 本校の教育目標

Ⅱ 本校の中期ビジョン

1 中期目標

 学校と家庭・地域が教育活動の目標を共有し、ともに協働して組織的に課題に対応する地域とともにある学校づくりに向けた三年程度の目標をまとめる。

2 経営の基本方針

 下記の八視点を参考に立案する。必要に応じて、視点を増やしてもよい。ここで立案した視点の具体が「年度の重点経営方針」とリンクする。

・地域とともにある学校づくり

・全教職員の経営参画を図る組織マネジメント

・教育目標の具現化を目指すカリキュラム・マネジメント

・教師と児童生徒との信頼関係および児童生徒相互のよりよい人間関係を育てる学年・学級経営

・キャリアステージに応じて求められる資質を高める研修

・安全で潤いのある教育環境整備

・組織で取り組む危機管理

・適切で効率的な運用を図る学校事務

3 指導の基本方針

 学校規模によっては「へき地・複式教育」、中学校は「部活動」を位置付ける。また、必要に応じて、情報教育、ふるさと教育などを設定してもよい。ここで立案した視点の具体が「年度の指導の重点」とリンクする。

・主体的・対話的で深い学びによる確かな力を育む学習指導

・豊かな心を育む道徳教育

・個と集団のよさを実感する特別活動

など。

Ⅲ 本年度の学校経営

1 年度の重点教育目標

 児童生徒の知・徳・体の実態、地域・保護者の状況など状況と課題を記述する。

2 年度の重点経営方針

 本年度は何に取り組み、どのような成果をあげるのか、具体的かつ簡潔に重点的取組を示し、同時に評価基準や評価方法も明確にする。

3 年度の指導の重点

 学習指導、道徳教育、特別活動、総合的な学習の時間、生徒指導などにおいて、本年度は何に取り組み、どのような成果を上げるのか、具体的かつ簡潔に重点的取組を示し、同時に評価基準や評価方法も明確にする。

Ⅳ 本年度の学校経営の評価

 各項目の実現状況について、自己評価を中間と年度末に実施。四段階評価で、四は「達成」、三は「概ね達成」、二は「やや不十分」、一は「不十分」とする。また、関係者評価の欄も設ける。

▼改善の視点2「目標達成の時期の明確化」

▽「Ⅱ 本校の中期ビジョン」と「Ⅲ 本年度の学校経営」「Ⅲ―1 年度の重点教育目標」を設定することによって、数年間の目標なのか、一年間の目標なのか明確にする。

▼改善の視点3「学校課題の明確化」

▽「Ⅲ 年度の重点教育目標」の設定に当たっては、児童生徒の知・徳・体の状況や地域・保護者の実態など、学校課題を明確にする。

▼改善の視点4「評価基準・評価方法の明確化」

▽「Ⅲ―2 年度の重点経営方針」「Ⅲ―3 年度の指導の重点」の設定に当たっては、具体的かつ簡潔に重点的取組を示すとともに、同時に評価基準や評価方法を明確にする。

▼改善の視点5「名寄市総合計画・名寄市学校教育推進計画等との連動」

▽学校経営計画の「Ⅲ―2 年度の重点経営方針」「Ⅲ―3 年度の指導の重点」は、市の総合計画や学校教育推進計画の「学校経営の方針」「教育指導の重点」などを踏まえて設定する。

(市町村 2018-01-25付)

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