札幌市教委 特別支援学校研究協議会 白糠養護の菅原校長が講演 初期学習の実践事例学ぶ(市町村 2018-01-24付)
白糠養護の菅原校長が重度・重複障がい教育について講演した
札幌市教委は十九日、札幌市立豊成養護学校(春田和之校長)で市立特別支援学校研究協議会を開いた。特別支援学校の教諭など五十一人が参加。白糠養護学校の菅原康之校長による重度・重複障がい教育に関する講演を通して、特別支援学校教員としての専門性を高めた。
協議会は、特別支援教育の状況や教育課程などに関する協議などを行うもの。特別支援学校教員の専門性の向上を図るとともに、札幌市における特別支援教育のセンター的機能の充実に資することを目的としている。
はじめに、教育課程担当課の北原義之指導主事が特別支援学校の新学習指導要領に言及。「学びの連続性を重視し、一人ひとりの状態に応じた指導の充実」「自立と社会参加に向けた教育の充実」が掲げられていることにふれ、市においても「新学習指導要領の趣旨を踏まえた教育課程の編成をはじめ特別支援教育の充実に向けた取組を一層進めていくことが必要」と強調した。その上で「札幌市の特別支援教育の要として力を発揮していただくようお願いする」と求めた。
また、会場校の春田校長が講師の菅原校長について、自閉症の研究や道内の各養護学校で豊富な実践を積み重ねてきたことを紹介した。
菅原校長は「重度・重複障がい教育~人の初期学習について」と題して講演。重複障がい教育において大切な点として「子どもの自発を引き出し、共有し、概念化、言語化へと関係を高めていくための工夫」を挙げた。
続いて、右足だけ地面に足裏がつく形に変形した肢体不自由の高等部の生徒の写真を提示。左足の関節は固く、動かしにくいのに比べ、右足はよく動くため、ものを引き寄せたり、足裏の感覚を得るために「本人が長年かけて足を変形させた」と説明した。
「自分の体を変形させてまで外の世界とつながりたいという子どもの気持ちがみえてきた」と述べ、子どもを理解するために、初期学習において「子どもが接している外界との関係」「ものを知るための感覚」などを高める重要性を説いた。
重度・重複障がい教育について、①初期学習②概念形成の基礎学習③記号操作の基礎学習―の三つに区分し、初期学習の実践事例を動画で紹介。触れると音がなる機械など、様々な教材が子どもの自発的な運動を促していることを解説し、子どもに合った教材を使用する必要性を強調した。
(市町村 2018-01-24付)
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