29年度道教育実践表彰受賞校・者の功績
(道・道教委 2018-01-26付)

 道教委が決定した二十九年度道教育実践表彰(十九日付1面既報)の学校表彰受賞校、教職員表彰受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=

【学校表彰】

▼羅臼町立春松幼稚園(工藤崧園長)

 長年にわたって「げんきな子、やさしい子、がんばる子」の育成を目指し、小学校教育との円滑な接続や保護者との連携を図る取組など、特色ある教育課程の編成・実施に取り組んでいる。

 特に、幼稚園と小学校が併設されている利点を生かし、ねらいを明確にした幼児と児童の交流を実施するとともに、教員の合同研修会において、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿について共通理解を図り、小学校教育との円滑な接続に向けた教育課程を編成・実施するなど、幼児が安心して小学校に入学できる支援や環境づくりに大きな成果を上げている。

 また、教師と保護者との緊密な連携を図る「家庭教育学級」を実施することによって、幼稚園や家庭において、幼児理解が深まるとともに、幼児が教師や保護者など、周囲の大人に見守られているという安心感の中で発達する教育活動を展開するなど、その実践は高く評価されている。

▼千歳市立千歳小学校(駒場義剛校長)

 長年にわたって、「自ら学び、つながり合い、何事もやり抜く子ども」の育成を目指し、知識・技能を活用して課題解決する力や他者と協働して物事に取り組む態度などを育てる指導に取り組んでいる。

 特に、学習指導においては、学校教育の核は授業であるとの共通理解のもと、分かる授業・楽しい授業を目指し、ICT機器の効果的な活用や学習内容を確実に定着させる学習過程の工夫などの授業改善はもとより、習熟度別少人数指導やチーム・ティーチングなどの指導体制の工夫を図り、児童の学習内容の確実な定着に大きな成果を上げている。

 また、二十六年度から道徳教育の研究を推進し、学校の教育活動全体を通じて道徳教育の充実を図ったり、「考え、議論する」道徳の実現に向けた授業改善を行ったりすることによって、児童の道徳性の育成に取り組むなど、その実践は高く評価されている。

▼倶知安町立倶知安小学校(梶野祐樹校長)

 長年にわたって「自立の精神に溢れ、心豊かに支え合い、将来の夢や希望に向けて取り組む児童」を目指し、児童一人ひとりに確かな学力を育む質の高い教育の推進に努めている。

 特に、二十六年度から「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として、校長のリーダーシップのもと、学校がチームとなり、中堅教員が若手教員を育成する「メンターチーム研修」の導入や、近隣校と連携した「ミニ研修」の実施によって、若手教員を計画的に育成するなど、包括的な学校改善に大きな成果を上げている。

 また、町内の中学校・高校と連携し、外国語活動の乗り入れ授業等を実施して、児童の英語に対する興味・関心を高めるとともに、体育専科教員を活用した授業改善や短い時間を活用した体力向上の取組を進め、健やかな身体の育成に努めるなど、その実践は高く評価されている。

▼北見市立緑小学校(工藤仁志校長)

 長年にわたって「みがきみがきあう緑小の子ども」を目指し、学校が一体となって授業の質を高める学校改善に取り組んでいる。

 特に、二十六年度から「学校力向上に関する総合実践事業」の実践指定校として、各学年の基礎学力を保障する教育課程の編成・実施や指導方法などの確立、若手教員や将来のスクールリーダーの計画的な育成、学校の改善サイクルの実質化・運営化等に取り組むなど、包括的な学校改善に大きな成果を上げている。

 また、二十九年度から「体育専科教員活用事業」の配置校として、学校の教育活動全体を通じた体力向上に関する取組や体育授業の充実に向けた指導方法などの工夫改善に組織的に取り組むとともに、その成果を各種研修会等において広く発信するなど、その実践は高く評価されている。

▼岩見沢市立明成中学校(嶌野郁夫校長)

 長年にわたって、「一人ひとりが目を輝かせ、生き生きと活動し、自分の夢に向かって努力する生徒」の実現を目指し、学校改善を恒常的に推進するシステムの強化に取り組んでいる。

 特に「どのように学ばせるか」に視点を当てた授業形態「明成スタイル」によって、すべての教科で「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた日常の授業改善を進めるとともに、放課後および長期休業中の自主学習「明成塾」や「パワーアップタイム」などの取組を学校がチームとなって推進し、学習内容の確実な定着を図るなど、学力向上に大きな成果を上げている。

 また、管理職のリーダーシップのもと、校務分掌を「事務処理型」から「目的達成型」に再編し、教職員の学校経営に対する参画意識を高め、目標を共有しながら業務を推進する組織体制の強化をはじめとする包括的な学校改善に取り組むなど、その実践は高く評価されている。

▼厚真町立厚真中学校(渋川賢一校長)

 長年にわたって、「豊かな心をもち、自ら学び、明るくたくましく生きる生徒」の育成を目指し、英語教育の推進や、家庭や地域との連携・協働による教育活動の充実に努めている。

 特に、二十七年度から、文部科学省「教育課程特例校」として、厚真町内の小学校とのカリキュラムの連携や授業交流などの小中連携した取組や、新教科として「コミュニケーション科」を設置し、外国人等と英語を用いて会話する学習活動を充実するなど、生徒のコミュニケーション能力の向上に大きな成果を上げている。

 また、コミュニティ・スクールの導入や家庭と連携した学力向上の取組、地域人材を活用した土曜授業の実施など、学校教育に求められている様々な今日的な教育課題の解決に向けて先駆的に取り組むなど、その実践は高く評価されている。

▼函館西高校(小松信夫校長)

 長年にわたって、学校から社会への移行が円滑に行われるよう、生徒の社会的・職業的自立を図る多様なキャリア教育に取り組んでいる。

 特に、系統的な進路指導を基盤に、地域人材を活用した取組を行っており、「社会人とのワールド・カフェ形式対話集会」では、地元企業や渡島総合振興局、函館市等の協力を受け、異世代との対話を通したコミュニケーション能力の育成を図るとともに、働くことや社会貢献の意義および地域の課題を理解し、また、文部科学省「教育課程研究指定校事業(公民科)」の取組においては、自分の将来や地域の課題解決に向けて自ら考え行動するなど、「在り方・生き方」を学ぶことによって、学習意欲が高まり、キャリア発達や進路実現に大きな成果を上げている。

 また、児童福祉施設「さゆり園」訪問や国際交流ボランティア、函館市立弥生小学校の児童への学習支援など、各種ボランティア活動に積極的に取り組むことによって、生徒の社会性や自律性を育むとともに、地域社会の活性化につなげ、その実践は高く評価されている。

▼留萌千望高校(太田倫夫校長)

 長年にわたって、学校教育目標に掲げる「未来に翔く、心豊かなスペシャリスト」の育成を目指し、生徒一人ひとりが、専門領域の確かな知識や技術を身に付けるとともに、地域とのかかわりを通して、地域への感謝の気持ちと貢献の意識を高め、社会性を育んでいく取組の推進に努めている。

 特に、電気・建築科においては、地域産業を担う後継者の育成という地域の期待に応え、現場見学や実習等を通してキャリア教育の推進に努めており、小学校のグラウンドの測量や、道路の凍結による事故防止のための焼き砂の提供など、地域への貢献に大きな成果を上げている。

 また、情報ビジネス科においては、地域資源を活用した商品開発の取組等を通してキャリア教育の推進に努めており、中でも、小・中学生とともに取り組む「キッズビジネスタウン」は、地域と学校とをつなぐ役割を担う、高校生による新たな地域振興策として、その実践は高く評価されている。

【教職員表彰】

▼相馬和俊(室蘭市立みなと小学校教諭)

 胆振管内の小学校における外国語活動推進の中心的な存在として、各教員に対する指導的な役割を果たすとともに、外国語活動の指導経験が浅い教員の指導力向上に尽力している。

 特に、室蘭市の小学校外国語活動巡回指導教員として、各小学校における外国語活動の授業改善・充実に向け、効果的な指導過程の工夫や、児童が外国語に親しむことができるよう、具体的な指導方法について指導助言をするとともに、チーム・ティーチングによる指導を通して、模範的な指導の在り方を各教員に示すなど、その実践は高く評価されている。

 また、室蘭市教育研究所外国語教育グループの中心として、研修講座の企画運営や資料作成をけん引するとともに「英語教育指導力向上研修」の講師として、胆振管内の教員の英語指導力の向上を図るなど、外国語教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

▼坂本和利(厚真町立厚真中央小学校教諭)

 自校はもとより、厚真町内および胆振管内における授業改善のリーダーとして、小・中学校の学力向上や道徳教育を推進する教員に対する指導的役割を果たすとともに、教職経験の浅い教員の指導力向上に尽力している。

 特に、自校においては、授業評価を取り入れ、児童の学力向上や教員の指導力向上に努めるとともに、厚真町内の小・中学校の研究授業において、道教委および厚真町教委の学力向上の施策を明確に説明し、授業改善の視点と指導方法の改善等を具体的に助言するなど、その実践は高く評価されている。

 また、道道徳教育推進会議委員として、北海道版道徳教材『きた・ものがたり』の作成や、胆振管内道徳教育推進委員として「道徳教育推進教師ハンドブック」の作成に携わるなど、道徳教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

▼高田尚哉(厚沢部町立厚沢部小学校主幹教諭)

 小学校の教諭として、各教科の授業改善に積極的に取り組むとともに、校務推進の実務的なリーダーとして、児童の学力・体力の向上や校内研修の充実に向けた取組や校内体制の構築に尽力している。

 特に、学習指導において、授業改善や放課後学習サポート、長期休業中の学習会での活用を目的に、全国学力・学習状況調査を分析し、児童の実態を踏まえた「学習ポイント」を作成し、学力向上に成果を上げるなど、その実践は他の模範となっており、桧山管内における学力の向上に大きく貢献している。

 また、道徳教育の推進体制や指導計画の改善にも尽力し、その実践成果を二十七年度管内道徳教育推進教師研修において発表し、桧山管内の道徳教育の推進にも貢献するなど、その実践は高く評価されている。

▼森尚代(今金町立今金小学校教諭)

 自校の研究部長として、指導体制や指導方法の改善に取り組み、学習規律の確実な定着や言語活動の充実に尽力するとともに、ICT機器の活用を推進する中で、児童の興味・関心を高め、主体的な活動を引き出す創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、学力向上に向けた取組においては、児童の学び合う力を育成するため、ペア学習やグループ学習の効果的な活用を図ったり、教員の授業力向上のため、ワークショップ型の研究協議を取り入れたりして、校内研修の充実を図り、成果を上げるなど、こうした取組は他の模範となっており、桧山管内の学力向上に向けた取組の活性化に大きく貢献している。

 また、各種研究大会での実践発表や研修会での講師を通じ、後進の育成にも力を入れるとともに、自らも他校の公開研究会に積極的に参加し、不断に専門的知識や指導技術等を身に付けようとする姿勢は高く評価されている。

▼大平博司(北見市立中央小学校教諭)

 特別支援教育コーディネーターとして、主体的に学習に取り組む態度の育成を重点とした授業改善のほか、家庭や関係機関と連携して、児童一人ひとりの成長を把握し、個に応じた指導の充実を図るなど、特別支援教育の充実に意欲的に取り組んでいる。

 特に、道特別支援学校教育研究連盟全道大会において、ユニバーサルデザインを意識した授業づくりのモデルとして、授業におけるICT機器の効果的な活用方法やキャリア教育の視点を取り入れた授業を公開するなど、特別支援教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、各種研修会の講師として、個別の教育支援計画、個別の指導計画の作成の仕方や、通級における指導の在り方、特別支援学級における授業改善に向けた取組などについて講演を行い、若手教員の育成に貢献するなど、その実践は高く評価されている。

▼西山乙代(帯広市立稲田小学校教諭)

 小学校の教諭として、児童の学力・体力の向上に向け、各種調査結果の分析に基づく指導方法の工夫改善に取り組むとともに、若手教員の学びを組織的に支援する研修システムを先進事例として積極的に発信し、十勝管内の教育の充実に大きく貢献している。

 特に、二十七年度の「初任者研修の抜本的改革に関する調査研究事業」および二十八年度の「総合的な教師力向上のための調査研究事業」において、初任者指導教諭および教務主任として、複数の先輩教員を指導者とするメンターチームの中核となって、ジョブシャドーイングやメンター研修を効果的に実施し、若手教員のみならず学校全体の教員の指導力向上に、大きな成果を上げている。

 また、十年経験者研修や各種研修講座における講師などの機会を通じて、自校の人材育成の取組を広く普及し、十勝管内の多くの学校が校内研修の参考とするなど、その実践は高く評価されている。

▼市原秀樹(幕別町立札内南小学校教諭)

 小学校の教諭として、学習指導における指導内容や指導方法の工夫改善を図るとともに、児童の英語でのコミュニケーション能力の育成を目指した外国語活動の授業や、タブレット端末や実物投影機等のICTを活用した授業を率先して公開するなど、十勝管内の教育の充実に尽力している。

 特に、英語教育推進リーダーとして、他校における外国語教育の授業指導や学習評価の改善のための指導助言を行うほか、オールイングリッシュで行われる外国語活動の研修講座の講師を務めるなど、十勝管内の外国語教育の振興に大きく貢献している。

 また、本年度からは「授業改善推進チーム活用事業」における授業改善推進教員として、近隣の小学校の教員と連携、協力して、授業改善を推進する中で、推進だよりの発行などを通じて、情報共有化の促進を図るなど、学力向上の中心的な役割を果たしており、その実践は高く評価されている。

▼瀬川航平(中標津町立中標津東小学校教諭)

 小学校の教諭として、教科指導はもとより、道徳教育推進教師として自校の道徳教育の推進体制の整備や指導計画の改善に取り組むほか、自ら道徳用教材の作成を行うなど創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、道道徳教育推進校事業においては、中心となって公開研究会を開催するとともに、公開授業や実践発表等を通して取組・成果を広く発信するなど、根室管内の道徳教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、道道徳教育推進会議委員として、北海道版道徳教材『きた・ものがたり』の作成に携わるなど、根室管内はもとより、全道の道徳教育の推進・充実に大きく貢献している。

▼佐藤博康(標津町立標津小学校教諭)

 小学校の教諭として、学力向上に向け、問題解決的な独自の「標津型学習スタイル」や校内研修の充実に取り組むとともに「授業改善推進チーム活用事業」における授業改善推進教員として、標津町内小学校の全学級担任との連携した取組を推進する中で、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、授業改善推進教員として、当該事業の研究教科である国語・算数において、基礎・基本の定着を図る取組とともに、デジタル教科書等のICT機器の活用など先駆的な取組を積極的に取り入れ、成果を上げるなど、その実践は他の模範となっている。

 また、標津町教育研究所員として社会科副読本の作成や北方領土に関する研究紀要の作成を中心となって行うとともに、研究大会などで豊富な経験に基づいた研究成果の発表を行うなど、根室管内の社会科教育の推進に大きく貢献している。

▼佐々木壮一(函館市立深堀中学校教諭)

 中学校の美術科教諭として、旺盛な研究心をもって創意工夫ある教育実践に取り組み、美術科における教科経営はもとより、学年主任としても活躍し、他の教員の模範となる前向きな教育活動を展開している。

 特に、道立函館美術館とコラボレーションした美術教育を年間指導計画に取り入れ、生徒の興味・関心を高める指導方法を工夫するなど、地域の教育資源の活用を図った取組は他の模範となっており、渡島管内はもとより、本道の造形教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、部活動においては、多様な視点からの指導および個性を伸ばす指導に全力を傾け、各種美術コンクールにおいて多くの生徒を上位入賞に導き、入賞常連校の礎を築くなど、その実践および指導は高く評価されている。

▼石橋典幸(七飯町立七飯中学校教諭)

 渡島管内における中学校の進路指導を推進する中核的役割を担う教諭として、進路指導やキャリア教育の充実に関する研究に取り組み、渡島管内や全道に向けて成果を発信するなど、優れた指導力を発揮し、生徒の主体的な進路選択の能力や態度の育成に尽力している。

 特に、渡島進路指導研究会において、生徒自身が将来に対する目的意識を明確にしながら、現在の学習や学校生活の充実を図り適切な進路選択を行うことができるよう、渡島管内の高校や高等専門学校、特別支援学校の特色をまとめた『進路ガイド 明るい未来を訪ねて』を毎年編集し、渡島管内すべての中学校に配布するなど、進路指導の充実に多大な貢献をしている。

 また、自校においては、総合的な学習の時間の探究的学習を中核として、三年間を見通して系統的かつ教科等横断的に生徒一人ひとりの自己実現に必要な力の育成を図るキャリア教育のカリキュラム・マネジメントを推進するなど、進路指導の充実に向けた実践は高く評価されている。

▼大島寿美(岩見沢東高校教諭)

 高校の数学科教諭として、少人数によるグループ学習を取り入れた授業改善を推進するなど、生徒自身が考える主体的・対話的で深い学びに転換させるための取組を推進する中で、生徒の中に数学の楽しさを根付かせる創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、道教委主催のメディカル・キャンプ・セミナーにおいて、第一回から数学講師として参加し、全道の医学部志望生徒の夢の実現のために尽力するなど、将来の北海道医療を支える人材育成に向けた取組は他の模範となっており、数学教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、道高校学力向上推進事業における教員の教科指導力の向上を目的とした研修などにおいて、講師として豊富な経験に基づいた指導助言を行うなど、数学教育の充実に中核的な役割を果たすとともに、その実践は高く評価されている。

▼串山義裕(札幌西高校教諭)

 高校の数学科教諭として「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善に努めるとともに、豊富な経験に基づいた実践研究を行うなど、数学教育の改善・充実に取り組んでいる。

 特に、医療系を含む難関大学への進学を希望する生徒への指導に尽力し、自校での取組にとどまらず、道教委主催の進学を目指す高校生のための学習講座の講師も長年務めるなど、その実践は高く評価されている。

 また、数学科教諭の指導力向上のため、道内の数学科教員とのネットワークを構築し、若手の教員に対して積極的に助言を行うなど後進の指導にも尽力し、数学教育の充実に大きく貢献している。

▼八重樫善照(札幌英藍高校教諭)

 高校の芸術科教諭として、授業アンケートの実施および分析によって授業の課題や生徒の実態を把握し、授業改善に努めるとともに、美術教育の実践研究を推進する中で、創意工夫のある教育活動を展開している。

 特に、二十二年度から『道高校教育課程編成・実施の手引』芸術科(美術・工芸)の執筆を担当し、生徒の資質・能力を踏まえた指導、学びの過程を重視した指導等について、内容を分かりやすく記述するとともに、学びの過程を明記した学習指導計画や授業実践例を掲載するなど工夫改善に取り組み、本道の美術教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、十年経験者研修や道高校美術・工芸教育研究大会における講師として、他校の教員に対しても積極的に指導助言を行うなど、教員の指導力向上に大きく貢献している。

▼小林雅澄(有朋高校教諭)

 二十五年度から始まった文部科学省の委託による遠隔授業にかかる研究開発学校協力校の研究担当者として、書道の遠隔授業の研究に取り組み、礼文高校への「書道Ⅰ」の遠隔授業の実施に尽力するとともに、直接対面授業との比較・検証を進める中で、遠隔授業のよさを引き出す創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、対面によるものが原則とされていた授業について、メディアを利用した遠隔授業が正規授業として行えることとなった二十七年度の制度改正につながる研究成果を文部科学省に提供するとともに、道内外からの視察における授業公開などを通じて、実践成果の紹介を積極的に行うなど、本道はもとより、全国の遠隔授業の振興に大きく貢献している。

 また、現在、遠隔授業を行う場合には、対面による授業を一定程度の時間数を行うものとされているが、道教委では、二十九年度から対面による授業時数を緩和した授業の検討に向け、研究開発を行うこととしており、その研究担当者の一人として、指導方法や評価方法の研究を行うなど、遠隔授業の充実に尽力している。

▼増田功(石狩翔陽高校教諭)

 高校の音楽科教諭として、授業改善や観点別評価の充実に尽力し、特に、音楽における表現領域(創作)と鑑賞領域の重点化に取り組むなど、創意工夫ある教育活動を展開している。

 これらの豊富な授業実践を基盤とし、教科指導におけるICTの活用やアクティブ・ラーニングの視点からの学習・指導方法の改善等の学習指導に関する今日的課題について研究を行うとともに、高校教育課程編成・実施の手引の執筆に長年、携わるなど、その取組は他の模範となっており、本道の音楽教育の充実・発展に大きな成果を上げている。

 また、高校教育課程研究協議会において豊富な経験に基づいた提言を行ったり、道立教育研究所講座における講師や高校教育研究会芸術部会における幹事を務めたりするなど、音楽教育にかかわる多くの指導的役割を担い、その実践は高く評価されている。

▼佐藤友洋(浦河高校教諭)

 高校の地理歴史科および公民科の教諭として、地域に開かれた教育課程の理念のもと、地域とつながりながら、生徒に様々な体験を通して、地域が抱えている課題を解決する方策を思考させる創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、学校設定科目「地域研究」において、地域の防災力を高めることを目的に、室蘭地方気象台、浦河消防署などと連携して実施したワークショップ型の防災授業や、地域の活性化を目的に、浦河町等と連携して実施した観光プランや地場産品活用プランの作成のための授業の実施など、地域貢献につながる取組は、教育関係者のみならず地域からも高く評価されている。

 また、こうした実践成果等について各種研修等において講演を行うとともに、授業実践スペシャリストとして他校の教員に助言を行うなど、後進の育成にも努め、教員の指導力向上に大きく貢献している。

▼岡田敏嗣(函館稜北高校教諭)

 高校の理科教諭として、生徒の学力向上に取り組み、「理科」の見方・考え方を高める学習指導の充実に尽力するとともに、文部科学省や道教委の指定事業を推進する中で「理科」や「総合的な学習の時間」において「主体的・対話的で深い学び」を踏まえた教育活動を展開している。

 特に、科目「生物」「生物基礎」の授業においては、アクティブ・ラーニングの手法や仮説検証を取り入れ、生徒の思考力・判断力・表現力の育成や学習意欲の向上に成果を上げているほか、「総合的な学習の時間」においては、探究的な学習を通して生徒の自己有用感を高め、社会貢献の意識の涵養に成果を上げているとともに、こうした成果を多くの公開授業やセミナー等を通して広く普及するなど、その実践は高く評価されている。

▼佐藤崇(旭川農業高校教諭)

 高校の農業科教諭として「社会人として通用する人材育成」を信念に、農業に携わる人材の育成に指導力を発揮するとともに、アクティブ・ラーニングの手法を活用するなど、専門性の高い授業を実践している。

 特に、農業クラブ活動の指導においては、実績発表の部で、日本学校農業クラブ全国大会へ継続的に生徒を出場させるなど成果を上げているほか、農業クラブ活動の指導法を農業教育研究大会等で発表し、自らの実践を全道の教員に還元し教科指導の水準を高めるなど、その実践は他の模範となっている。

 また、地域農産物の有効活用を目指した「あったか旭川まん」の商品開発や、旭川市内の産・学・官連携の「あったか旭川まん推進会議」の設立など、地域と連携した積極的な取組とその貢献は、教育関係者のみならず地域からも高く評価されている。

▼瀧川直子(苫前商業高校養護教諭)

 高校の養護教諭として、保健指導、健康相談等の充実に取り組むとともに、特別支援教育コーディネーターとして、特別な支援を必要とする生徒の個別の指導計画の充実、教育相談体制の強化に尽力している。

 特に「高校生ステップアップ・プログラム」事業において、生徒の自殺予防や問題行動の防止に向け、スクールカウンセラーと連携し、ソーシャルスキルトレーニングやエンカウンターの手法を用いた生徒の人間関係やコミュニケーションスキルの育成を図る独自の取組は、他の模範となっている。

 また、留萌管内の教育相談研究会等において豊富な経験に基づいた研究成果の提言を行うとともに、養護教諭研究協議会等で若手教員の育成に中核的な役割を果たすなど、その実践と成果は全道的にも高く評価されている。

▼須藤智昭(女満別高校教諭)

 高校の公民科教諭として、「主体的・対話的で深い学び」に力点を置いた授業改善に取り組むほか、本年度からは道東ブロック授業実践スペシャリストとして、道東ブロックの教員に助言を行うなど、自校はもとより、道東ブロックの公民科教育の充実に尽力している。

 特に、生徒の理解を深めるため、参加型ワークショップの「貿易ゲーム」の活用のほか、「十八歳選挙権」について模擬投票の実施や三年生が一年生および二年生へ選挙制度を授業する「学び合い」などを実践し、学力向上につなげている。

 また、より効果的な学びを実現するために、ICTを活用した課題解決型の授業なども積極的に行っており、授業の理解を促すものとして、その実践は高く評価されている。

▼高橋江恵(上士幌高校教諭)

 学習指導および生徒指導において、特別な教育的支援を必要とする生徒への適切な支援を継続して行うとともに、校内の組織的な指導体制の構築や他校への研究成果の普及等を行うなど、高校における特別支援教育の充実に大きく貢献している。

 特に、二十六年度から二十八年度までの文部科学省指定事業「高校における個々の能力・才能を伸ばす特別支援教育」および二十九年度の文部科学省指定事業「高校における特別支援教育推進のための拠点校整備」を推進する中で中心的役割を果たすとともに、道内外から視察研修において、実践の紹介や研究成果の普及に努めるなど、高校における特別支援教育の先導的・模範的な役割を果たし、大きな成果を上げている。

 また、道特別支援教育学会主催の研修会、日本LD学会のシンポジウム、道高校教育課程研究協議会等において、提言者やパネリストとして実践報告等を行うなど、指定事業の成果を全道に広く発信し、その実践は高く評価されている。

▼弥田将人(釧路東高校教諭)

 国語科教育および生徒指導を推進する中核的役割を担う教諭として、授業改善に取り組み、「学び直し」による基礎・基本の定着による学力向上に尽力するとともに、地域清掃活動や社会福祉施設行事への参加など地域と連携した教育活動に取り組む中で、生徒指導部長として意欲的に研修を企画するなど、創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、教育課程研究指定校事業(国立教育政策研究所・国語)を推進する中で、社会生活で生きる「話す・聞く」能力の育成・効果を高めるため、外国語科との連携をはじめ学校全体として取り組むことに尽力し、その成果を研究協議会等で広く普及するなど、その実践は高く評価されている。

 また、道高校教育研究会釧根支部生徒指導部会事務局および釧路市学校補導協会幹事校業務を総括し、小・中・高校の学校間が連携したいじめ未然防止に関する指導の充実を図るため、三校種合同の研修会を企画するなど、地域における生徒指導の中核的な役割を果たしている。

▼石岡卓(真駒内養護学校教諭)

 自立活動を担当する教諭として、特別支援教育における自立活動の指導の充実を目指して、児童生徒の特性や実態に応じた指導を展開するとともに、全道の肢体不自由教育校の教員に対して、実態把握から、指導計画、指導方法、評価まで、一貫した指導助言を行うなど、教員の指導力向上に尽力している。

 特に、自校のみならず他の特別支援学校の校内研修のほか、道教委主催の研修等の講師を務めるとともに、特別支援教育パートナー・ティーチャーとして、他校の教員に指導内容・方法等について助言を行うなど、自立活動担当の教諭の専門性の向上に大きく貢献している。

 また、二十年度に全道の自立活動担当の教諭が集う道自立活動教諭研究協議会を創設し、各校のネットワーク化を図るとともに、専門研修を企画・実施し教員の資質向上を図るなど、本道の特別支援教育における自立活動の充実に大きな成果を上げている。

▼古川信綱(新篠津高等養護学校事務主任)

 高校の事務職員として、日常から正確かつ効率的な事務の執行に努めるとともに、多くの研究活動や研修活動を行い、学校事務の円滑な遂行に貢献している。

 特に、二十年度から『道立学校事務実務提要』の編集チーフとして、編集業務を中心となって遂行するとともに、全道事務職員研究大会等では豊富な経験に基づいた研究成果の発表を行うなど、本道の学校事務の改善・充実に努め、その取組は高く評価されている。

 また、後進の指導にも力を入れ、初任層職員や職務換職員などの経験の浅い事務職員を中心に、数多くの研修講師を務めるなど、事務職員の職能向上にも大きく貢献している。

▼金子亘喜(今金高等養護学校教諭)

 自校の教務主任として、他の教員が個々の生徒に応じた個別の指導計画を適切に作成できるようマニュアルを作成するなど、教育活動の質の向上に向けた取組を行うとともに、地域のスポーツ振興や障がい者スポーツの推進、スポーツ活動を通した人材育成や地域連携の取組に尽力している。

 特に、今金町スポーツ推進委員として、自校および地域のスポーツ活動を推進するとともに、生徒が卒業後に地域生活に円滑に移行できるよう、スポーツ活動を通した生徒と町民との関係づくりに尽力し、その取組は教育関係者のみならず地域からも高く評価されている。

 また、障がい者スポーツにおいて、陸上部生徒を六年連続で障がい者スポーツ大会の全国大会に導き、上位入賞を果たしたほか、初級障がい者スポーツ指導員講習会の講師として、本道の指導者の育成にも尽力するなど、障がい者スポーツの推進にも大きく貢献している。

▼篠田佳寿(帯広養護学校教諭)

 特別支援教育コーディネーターとして、十勝管内の幼稚園、保育所、小学校、中学校および高校における教育相談等の支援・充実に尽力するとともに、十勝管内特別支援教育推進ネットワーク「とかねっと」の中心的な役割を担い、十勝管内の特別支援教育の振興に大きく貢献している。

 特に、十勝教育局専門家チーム委員やパートナー・ティーチャー派遣事業における派遣教員として、十勝管内の小・中・高校を訪問し、授業参観や発達検査等を通して、児童生徒の実態把握を行い、日常の指導に活用できる具体的な指導方法等の助言を行うなど、きめ細かく対応し、大きな成果を上げている。

 また、特別支援教育コーディネーター研修会をはじめ、各種研修講座における講師等を務めるなど、十勝管内の教員の指導力向上に努め、その実践は高く評価されている。

▼犬養浩一郎(釧路鶴野支援学校教諭)

 特別支援教育コーディネーターとして、小・中・高校への支援や研修協力に取り組み、障がいのある児童生徒や保護者支援の充実に尽力するとともに、職業教育を推進する中で、福祉・医療・労働関係機関の連携を図るなど創意工夫ある教育活動を展開している。

 特に、「職業」の教育課程編成において、どの教員が担当しても一定の水準で指導できるよう障がい特性に応じた指導方法を具体的に示した計画を作成するなど、その取組は他の模範となっており、特別支援教育における職業教育の振興と充実に大きな成果を上げている。

 また、根釧地区特別支援教育ネットワーク協議会に所属し、釧路・根室管内の小・中学校の支援を行うとともに、釧路市自立支援協議会に所属し、釧路市の障害福祉政策に協力を行うなど、地域への支援も積極的に行い、こうした実践は教育関係者のみならず地域からも高く評価されている。

(道・道教委 2018-01-26付)

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