外国人子女への日本語指導講座 DLAの活用方法理解 東京外大・小林名誉教授が講話―帯広市教委(市町村 2018-01-30付)
約30人が受講し、日本語指導の在り方について研鑚を積んだ
【帯広発】帯広市教委は十九日、帯広市立大空小学校で外国人子女に対する日本語指導等の充実に関する特別研修講座を開いた。東京外国語大学の小林幸江名誉教授が「外国人児童生徒等のためのJSL対話型アセスメントDLA」と題して講話。講義や演習を通して、DLAの具体的な活用方法や日本語能力の評価の在り方などについて理解を深めた。
この講座は、同市の学校において、市内在住の外国人子女が複数在籍しているため、多くの教職員が外国人子女の日本語指導にかかわっていることから、学校で利用可能な日本語能力測定方法「対話型アセスメント(=DLA)」の開発にかかわった人を講師に招き、日本語指導の今後の対応の在り方について理解を深めることが目的。市内小・中学校の教職員など約三十人が受講した。
開会に当たり、村松正仁学校指導担当企画監があいさつ。市内の小学校において、外国人子女が多く通学し、言葉や文化の壁などによって指導の難しさを感じている教職員が多い現状を報告した上で、「本講座で研修を深め、DLAを活用した校内における外国人子女の指導に役立ててほしい」と期待を寄せた。
引き続き、小林名誉教授が「外国人児童生徒等のためのJSL対話型アセスメントDLA」をテーマに講話を行った。自身が開発に携わった学校において利用可能な日本語能力測定方法「DLA」について解説。DLAの考え方や構造などを説明したほか、測定の流れや日本語能力の評価の在り方などを紹介した。
また、実際にDLAを用いた演習を実施。指導の様子を映したDVDをもとに、DLA「聴く」の視点から、個に応じた指導を充実させる大切さを呼びかけた。
参加者からは、「DLAを活用すると共通の評価基準や客観的な評価として判断していけることが分かった」「今後、学級にいる外国人の子どもの割合が増えていくことが予想されるので、一人ひとりに応じた対応をしていきたい」などの感想が寄せられた。
※キーワード
▽対話型アセスメント=日本語指導が必要な児童生徒が増加している状況を踏まえて、文部科学省が開発した日本語能力測定法。Dialogic Language Assessmentの頭文字を取り、DLAを略称とした。日常会話はできるが、教科学習に困難を感じている児童生徒が対象。複数の評価ツールを用いて「会話の流暢度」「弁別的言語能力」「教科学習言語能力」を測定し、今後の指導に必要な情報を得ることをねらいとしている。
(市町村 2018-01-30付)
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