道教委が『支援体制事例集』追補版作成 指示明確化や実態共有を 推進校・地域の実践掲載(道・道教委 2018-04-11付)
道教委は、特別支援教育の充実を図るため二十八年度に作成した『支援体制取組事例集』の追補版として「推進校編」「推進地域編」を作成した。発達障がい支援成果普及事業の推進校の六十四校と、推進地域の実践や成果をまとめたもの。授業づくりの実践では、掲示物や板書の工夫によって指示を明確化する取組や、教育支援計画などを活用して、幼稚園と小学校が幼児の実態共有や具体的な引き継ぎを行う取組などのポイントをまとめている。
道教委の調査では、道内の公立の幼稚園、小・中学校、高校などのうち、六割を超える学校などにおいて、特別な教育的支援を必要とする幼児児童生徒が通常の学級に在籍している実態がみられた。このため、すべての教職員が発達障がいを含む特別な教育的支援を必要とする子どもへの指導や、支援に関する基礎的な知識・技能を習得できるよう事業を通して支援してきた。
二十九年度は校内研修プログラムなどを活用して研修を行う学校を推進校として指定した上で、すべての管内で発達障がい支援成果普及事業を実施。また、道保健福祉部とそれぞれ進めてきた取組を、両者で連携・発展させるため、推進地域をすべての管内において共通で指定した。
追補版はそれぞれの推進校と推進地域での実践や成果を掲載している。
推進校編では、「校内研修プログラム、実践事例集を活用した三つの取組」として、校種別に校内研修の実践や学級づくり、授業づくりの実践、個別の指導計画や教育支援計画の作成・活用の取組を紹介。
このうち、小学校での掲示や板書の工夫によって指示を明確化する取組として、授業の冒頭に板書や掲示物、映像を使って本時の学習活動の流れを説明し、児童が見通しをもって授業に取り組めるようにしている。また、授業によって、活動中に授業の流れを確認する必要があることから、授業中も児童の見やすいところに流れを掲示している。
このほか、幼稚園における個別の教育支援計画の活用例として、幼稚園教育と小学校教育をスムーズに接続するため、年間計画に位置付けた幼稚園と小学校の連携した取組を紹介。幼児が授業参観や授業体験などに参加する際には、個別の教育支援計画や個別の指導計画を活用して、幼児の実態の共有や具体的な引き継ぎを行うなど、組織的・計画的な取組を進めている。
推進地域編では、「早期からの教育相談・支援体制のための七つの取組」として、相談体制の充実、子どもや保護者への支援、学校・関係機関との連携を掲載。
学校・関係機関との連携として、保健師、保育士、教職員など特別支援教育にかかわるすべての人が一堂に会し、情報共有できる合同会議の取組を紹介している。
(道・道教委 2018-04-11付)
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