30年度石狩管内教育推進の重点 学びをつなぐ学校づくりを 本道教育リードする気概もち―石狩局が小・中校長会議(道・道教委 2018-04-12付)
管内教育推進の重点を説明する岩渕局長
石狩教育局は十日、道庁別館で三十年度石狩管内小・中学校長会議を開いた。岩渕隆局長が本年度管内教育推進の重点を説明。「社会で活きる力の育成」「豊かな人間性の育成」「健やかな体の育成」「学びを支える地域・家庭との連携・協働の推進」「学びをつなぐ学校づくりの実現」「学びを活かす地域社会の実現」の六点を挙げ、「市町村教育委員会や校長会、さらには、校長一人ひとりと、これまで以上に連携を密にしながら、石狩教育の質の向上に努めていく」と呼びかけた。
管内における教育推進の重点はつぎのとおり。
【はじめに】
二十九年度石狩管内教育推進の重点として示した三点に基づき、学校経営の改善・充実はもとより、石狩管内の教育の振興・発展に寄与していただいた。学校の真摯な取組に敬意を表するとともに、石狩に住むすべての子どもが、本道の次代の担い手として成長することができるよう、道教委の施策などにも理解・協力をいただき、感謝を申し上げる。
さて、二月に新しい道教育推進計画、教育行政執行方針が示され、教育委員会、学校においては、これらに基づき施策や取組を展開されることと思う。
石狩教育局としては、三十年度からは管内教育推進計画は作成せず、新しい道教育推進計画に基づき、管内教育推進の重点を毎年度示すこととした。
新しい道教育推進計画の六つの目標の順に、三十年度石狩管内教育推進の重点として、教委、学校で特に取り組んでいただきたいことを説明する。
【社会で活きる力の育成】
▼義務教育における確かな学力の育成
義務教育における確かな学力の育成では、学習指導要領に示された授業改善の視点や学校改善プランの一層の定着と効果的な運用が求められることから、
▽主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善
▽学力向上に向けた検証改善サイクルの確立
―をお願いする。
▼特別支援教育の充実
特別支援教育の充実では、個別の教育支援計画の作成から活用、特別支援教育に関する研修の受講による専門性の確保が求められることから、
▽切れ目のない一貫した指導や支援の充実
▽高い専門性に基づく特別支援教育の推進
―をお願いする。
▼国際理解教育の充実
国際理解教育の充実では、国際社会において主体的に行動できる資質・能力の育成が求められることや、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を培う必要性が重要であることから、
▽国際理解教育の充実
▽外国語教育の充実
―をお願いする。
【豊かな人間性の育成】
▼道徳教育の充実
道徳教育の充実では、小学校における「特別の教科 道徳」の実施、道徳の授業の質的転換と量的確保、いじめ問題などの未然防止につながる人権意識の涵養を踏まえ、
▽道徳教育の充実に向けた教員研修の推進
▽道徳教育を推進するための教材などの活用や開発
▽人権教育の充実
―をお願いする。
▼ふるさと教育の充実
ふるさと教育の充実では、ふるさとへの興味や関心をもち、地域社会の一員としてまちづくりにかかわる人材の育成、アイヌの人たちの歴史・文化など、北方領土に関する指導などを通してのふるさと教育の一層の充実が求められることから、
▽アイヌの人たちの歴史・文化などに関する教育の充実
▽北方領土に関する教育の充実
―をお願いする。
▼コミュニケーション能力の育成
コミュニケーション能力の育成では、自分の考えをもち、表現しながら考えを形成・深化し、よりよい人間関係の形成が求められることから、
▽言語活動の充実
▽コミュニケーション能力を高める学習活動の充実
―をお願いする。
▼いじめの防止や不登校児童生徒への支援の取組の充実
いじめの防止や不登校児童生徒への支援の取組の充実では、いじめや不登校などの未然防止、早期発見・早期対応、教育相談体制の充実、ネット上のいじめなどインターネット上のトラブルへの対応、改訂後の道いじめ防止基本方針の実質化が求められることから、
▽いじめへの取組の充実
▽不登校への取組の充実
―をお願いする。
【健やかな体の育成】
▼体力・運動能力の向上
体力・運動能力の向上では、学校における体育・保健授業の一層の改善および体力向上の取組の推進学校、家庭、地域が一体となった児童生徒の運動機会のさらなる充実が求められることから、
▽学校における体力向上の取組の推進
▽学校、家庭、地域が一体となった児童生徒の運動機会の充実
―をお願いする。
▼食育の推進
食育の推進では、食育の推進が一層重視されていることから、
▽学校、家庭、地域連携・協働した食育の推進
▽安全・安心な学校給食の充実
―をお願いする。
【学びを支える地域・家庭との連携・協働の推進】
▼学校と地域の連携・協働の推進
ここでは、管内のコミュニティ・スクール(CS)を設置する教育委員会が三市一村であることから、
▽地域の教育力を活かした学校づくりの推進
▽地域の特色を活かした子どもの活動拠点づくりの推進
―をお願いする。
【学びをつなぐ学校づくりの実現】
▼学校段階間の連携・接続の推進
ここでは、学校段階等間の接続が一層重視されていることから、
▽幼稚園、認定こども園、保育所と小学校の連携
▽小学校と中学校との連携
―をお願いする。
【学びを活かす地域社会の実現】
▼生涯学習の振興
ここでは、地域づくりにつながる学習活動の促進および指導的役割を担う人材の育成などが求められていることから、
▽生涯にわたる学習活動の促進
▽地域の実態に即した学習環境づくり
―をお願いする。
以上、六つの目標ごとに三十年度石狩管内教育推進の重点について、説明させていただいた。
【むすび】
本年度も引き続き「石狩教育が北海道教育をリードする」という気概をもって、組織のトップとして、手腕を大いに発揮していただけるよう期待を申し上げる。
教育局としても、市町村教育委員会や校長会、さらには、校長一人ひとりと、これまで以上に連携を密にしながら、石狩教育の質の向上に努めていく所存でいるので、一層の協力をお願いする。
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(道・道教委 2018-04-12付)
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