石狩局が高・特校長会議開催 30年度石狩管内教育推進の重点 揺るぎない信念で経営を 高大接続改革などへ対応(道・道教委 2018-04-25付)
岩渕局長が教育推進の重点に関して、取り組むべき内容を説明
石狩教育局は十八日、札幌市内の道第二水産ビルで三十年度石狩管内道立高校・特別支援学校長会議を開いた。岩渕隆局長が本年度における管内教育推進の重点を説明。「社会との連携・協働による教育課程の実現」「高大接続改革への対応」「一人ひとりのキャリア発達への支援の充実」「主権者教育の推進」「地域の特性を生かした教育活動の推進」などを求めたほか「様々な教育課題に対して、揺るぎない信念と情熱、使命感をもった学校経営に尽力いただくようお願いする」と呼びかけた。
三十年度管内教育推進の重点はつぎのとおり。
◇
【はじめに】
管内教育の重点に基づき、学校経営の改善・充実に取り組んでいただくとともに、道教委の施策などにも理解と協力をいただき、あらためてお礼を申し上げる。
さて、二月に教育行政執行方針、三月に新しい道教育推進計画が示され、各学校においては、これらに基づき施策や取組を展開されることと思う。
石狩教育局としては、三十年度からは石狩管内教育推進計画は作成せず、新しい道教育推進計画に基づき、管内教育推進の重点を毎年度示すこととした。
新しい道教育推進計画の六つの目標順に、三十年度石狩管内教育推進の重点として、各学校で特に取り組んでいただきたいことを説明する。
【社会で活きる力の育成】
▼これからの時代に求められる資質・能力の育成
これからの時代に求められる資質・能力の育成では、大きな社会変動の中、社会で求められる資質・能力をすべての生徒に育み、生涯にわたって探求を深める未来の創り手として送り出していくことや、卒業後の学習や社会生活に必要な力を育成することのできる教育の質を確保することが求められることから、
▽社会との連携・協働による教育課程の実現
▽主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善の推進
▽高大接続改革への対応
―をお願いする。
▼特別支援教育の充実
特別支援教育の充実では、すべての学校において、特別な教育的支援を必要とする子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導や支援の充実を図ることや、学校全体で特別支援教育の専門性の向上を図ること、幼児期から学校卒業後までの切れ目のない一貫した指導や支援をすることが求められることから、
▽切れ目のない一貫した指導や支援の充実
▽高い専門性に基づく特別支援教育の推進
―をお願いする。
▼キャリア教育の充実
キャリア教育の充実では、社会の変化が加速度を増している中、学校と社会との接続を意識し、一人ひとりの社会的・職業的自立に向けて必要となる資質・能力を育み、子どもたちのキャリア発達を促すことや、主権者として求められる力を育成することが求められている。
また、新しい道教育推進計画においては、道立高校において、卒業時に、進学や就職などの進路希望を設定できない生徒数について、二十八年全道計一千二百二十人を、四年後には、ゼロとする目標値を掲げたこともあることから、
▽一人ひとりのキャリア発達への支援の充実
▽主権者教育の推進
―をお願いする。
【豊かな人間性の育成】
▼道徳教育の充実
道徳教育の充実では、幼児期の教育も含め、小学校、中学校、高校を通じて、人格の完成および国民の育成の基盤となる道徳性を育てる道徳教育の充実が求められ、高校では学校全体で行う人間としての在り方・生き方に関する教育の充実が求められることから、
▽道徳教育の充実に向けた教員研修の推進
▽人権教育の充実
―をお願いする。
▼コミュニケーション能力の育成
コミュニケーション能力の育成では、急速な社会変化の中、様々な価値観や背景をもつ人と人間関係を形成し、合意形成・課題解決するため、言語能力を高めることが求められることから、
▽言語活動の充実
▽コミュニケーション能力を高める学習活動の充実
―をお願いする。
▼いじめの防止や不登校児童生徒への支援の取組の充実
いじめの防止や不登校児童生徒への支援の取組の充実では、いじめの重大事態について、道立高校においては、三件の重大事態が発生している。いじめは、どの児童生徒にも生じ得るという認識に立ち、ささいな変化や兆候を見逃さず、緊張感をもって積極的に認知することが求められ、不登校は、早期からの支援が重要であるという認識に立ち、要因を的確に把握し、組織的・計画的に取り組むことが求められることから、
▽いじめへの取組の充実
▽不登校への取組の充実
▽教職員の資質・能力の向上と学校体制の充実
―をお願いする。
【健やかな体の育成】
▼体力・運動能力の向上
体力・運動能力の向上では、子どもの体力については、体力水準が高かった昭和六十年ころと比較すると、低下傾向には歯止めがかかっているものの、依然として低い状況にあり、学校における体育・保健に関する指導の一層の充実や学校、家庭、地域が連携した運動習慣の定着や生活習慣の改善のための取組が求められることから、
▽学校における体力向上の取組の推進
▽学校、家庭、地域が一体となった児童生徒の運動機会の充実
―をお願いする。
▼食育の推進
食育の推進では、生徒が食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができるよう、学校において食育を推進することが求められることから、
▽学校、家庭、地域が連携・協働した食育の推進
▽安全・安心な学校給食の充実
―をお願いする。
【学びを支える家庭・地域との連携・協働の推進】
▼学校と地域の連携・協働の推進
学校と地域の連携・協働の推進では、地域住民や保護者などが学校運営や教育活動に参画する既存の機会などを拡充するとともに、地域と一体となった教育活動を行うことが求められることから、
▽地域の教育力を活かした学校づくりの推進
―をお願いする。
【学びをつなぐ学校づくりの実現】
▼本道の地域特性などを踏まえた特色ある高校づくり
本道の地域特性などを踏まえた特色ある高校づくりでは、地域の実情に応じて、他者と協働しながら課題を解決し、未来を創り出す人材を育成するため、社会の変化や時代の要請に応える高校づくりが求められることから、
▽地域の特性を生かした教育活動の推進
▽活力と魅力のある高校づくりの推進
―をお願いする。
【学びを活かす地域社会の実現】
▼生涯学習の振興
生涯学習の振興では、生涯にわたって学ぶことの意味や大切さなどについての理解の促進や、多様なニーズに対応した学習機会の提供、学校施設の活用を含めた学習や活動の場の充実などが求められることから、
▽生涯にわたる学習活動の促進
―をお願いする。
【むすび】
校長の皆さんには、本年度も引き続き、様々な教育課題に対して、揺るぎない信念と情熱、使命感をもった学校経営に尽力いただくようお願い申し上げる。
教育局としても、校長会、さらには校長の皆さん一人ひとりと、これまで以上に連携を密にしながら、北海道教育の質の向上に努めていくので、一層の協力をお願いする。
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(道・道教委 2018-04-25付)
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