函館市教委が教育振興フォーラム 地域で子どもを育む意識を 文科省CSマイスター・四柳氏講演(市町村 2018-08-29付)
約260人が地域とともにある学校づくりへ理解を深めた
【函館発】函館市教委は十八日、函館大学で函館市教育振興フォーラムを開いた。市内の教職員や保護者など約二百六十人が参加。みたかSCサポートネット代表理事で文部科学省CSマイスターの四柳千夏子氏による講演を通して、コミュニティ・スクール(CS)の活動充実や地域と学校の協働体制の構築に向けて、理解を深めた。
市では、本年度からCSの導入を本格的に進めており、小・中学校の約七割で導入している。フォーラムは、CS・学校運営協議会の理解を深めるとともに、効果的な運用事例の紹介などを通して、市の特性や実情に即した学校運営協議会制度の在り方を探ることを目的に開いた。
開会あいさつに立った沢田紀之学校教育部長は「今後は、小中一貫教育の推進などに向け、CSの活動に関する重要性が高まっていく。フォーラムを通して、各地域での一層の活動充実につなげてほしい」と期待を寄せた。
つぎに、大室文子教育政策課長が本年度から施行となった市教育振興基本計画について説明。市が目指す子ども像や実現への基本目標などを解説した。
このあと、四柳氏が「地域とともにある学校づくりに向けて~子どもたちの未来のために、今、私たちにできること」を演題に講演。自身の経験談などを交えながら、実践事例や学校との円滑な連携について助言した。
冒頭、「子どもたちを取り巻く教育環境が大きく変化していることに伴い、教職員も授業以外に多くの対応が求められている」と指摘。学校現場の負担を軽減するためにも運営協議会を通して、地域とともにある学校づくりを進める必要性を強調した。
運営協議会の目的について、「学校の教育目標の実現をともに目指していくこと」と提示。「地域と学校が教育目標などの情報を共有することが重要」と話し、地域が学校に対して受け身にならず、積極的に情報を共有するよう求めた。
そのほか、自身が参加・参画する運営協議会で行った地域安全マップの作成や放課後の学習教室、防災訓練などの教育活動を通して、児童と地域が交流している様子を紹介した。
講話終了後、「CSの活用にあたって」をテーマにしたQ&Aセッションでは、参加者の質問に対して、四柳氏が「協議会が学校と対等の立場にあるということを理解して、地域で子どもを育てるという意識をもってほしい」と答え、学校と地域が対等の立場と意識で学校経営に参画するよう呼びかけた。
(市町村 2018-08-29付)
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