29年度学習実現状況の正答率―札幌市教委 中学2教科が設定上回る 社会、英語を調査
(市町村 2018-08-30付)

各教科の通過率
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 札幌市教委は、二十九年度札幌市学習実現状況調査をまとめた。全国学力・学習状況調査の調査対象教科となっていない社会および英語に関する調査などを行い、今後の教育課程の編成や指導の改善に資するもの。市の通過率(正答率)は、その学年として期待される通過率の設定通過率と比較し、小学校社会で〇・五ポイント下回る六三・一%、中学校社会で一・三ポイント上回る六〇%、中学校英語で三・八ポイント上回る五六・五%となった。教科の調査やアンケートから「複数の資料から必要な情報を読み取ること」「家庭での学習習慣の確立」などに課題が見られることから、それらに対応した指導方法の工夫・改善を図っていくことを求めている。

 調査は、全国学力・学習状況調査の調査対象教科となっていない社会および英語に関する調査、学習に関するアンケートを実施するもの。学習指導要領における各教科の目標や内容に照らした学習状況を把握し、指導上の課題を明らかにした上で、今後の教育課程の編成や指導の改善に資することを目的としている。

 ことし二月二十七日に市教委が対象学校および学級を無作為抽出。市立学校に在籍する対象学年の児童生徒数約七%(小学五年生一千三十七人、中学二年生一千七人)に社会に関する調査と学習に関するアンケートを、また、中学二年生一千六人に英語に関する調査を行った。

 実施報告書では、各設問においてあらかじめ設定された、学年として期待される通過率を領域や観点などの項目ごとに平均したものを設定通過率と位置付けた。

 小学校社会の通過率は設定通過率と比較し、〇・五ポイント下回る六三・一%で、中学校社会は一・三ポイント上回る六〇%。中学校社会では「讃岐平野で水の確保が行われている理由を説明する」の通過率が、設定通過率を下回っていることから、複数の資料から読み取ったことを関連付けて説明するなど、課題探究的な学習の充実を図っていくことを求めている。

 中学校英語の通過率は、三・八ポイント上回る五六・五%。領域別では「書くこと」が設定通過率を五・二ポイント上回った。

 学習に関するアンケートでは、学校の授業以外に勉強をする時間について、「ほとんどしない」「三十分ぐらい」を合わせると小学校では、平日二六・〇%、休日で四一・五%と、中学校で平日に二三・二%、休日二九・三%となった。学習習慣づくりの大切さなどについて、学校から積極的に子ども・保護者に啓発することを求めている。

(市町村 2018-08-30付)

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