札幌市子どもアシストセンター LINEでの相談を試行 高1対象に18日から17日間
(市町村 2018-09-03付)

 札幌市子どもの権利救済機関(=子どもアシストセンター)は、SNSアプリ「LINE」による相談を試行的に受け付ける。地方公共団体が設置する子どもの権利救済機関としてLINE相談を実施するのは全国で初めてという。対象は市内の高校に通う一年生。期間は十八日から土・日・祝日を除く十七日間。今後、結果や内容を分析し、本格的な導入に向けて検討するほか、来年度も試行する予定。

 アシストセンターは、二十一年四月に、市における子どもの最善の利益を実現するための権利条例(=子どもの権利条例)の施行と同時に、条例に基づく救済委員制度として設置。いじめや体罰などの大人による不適切な対応といった、権利侵害に悩み苦しんでいる子どもに対し、迅速かつ適切な救済を行うことを目的としている。

 主な活動内容は、子どもに関する相談に幅広く応じ、助言や支援を行うことと、救済申立て等に基づき問題解決に向けた調査や関係者間の調整を行うこと。

 センターは、子どもの権利について専門知識を有する救済委員二人、救済の申立てがあった際に関係機関への調査などを担当する調査員三人、電話やEメールで相談を受ける相談員七人で構成。面談での相談も受け付けている。

 しかし、近年、Eメールでの相談件数が減少。その背景について「SNSでのコミュニケーションが浸透しているため」と分析した。

 今回、Eメールでの相談を補完するという観点から、LINE相談を試行的に実施することとした。SNSを用いた相談の有効性も検証する。センターによると地方公共団体が設置する子どもの権利救済機関としてLINE相談を行うのは、全国初の試みとのこと。

 相談対象は、市内の高校に通う一年生で、約一万五千人を見込んでいる。

 期間は十八日~十月十二日。土・日・祝日を除き、十七日間実施する。時間は午後四~七時の三時間となっている。

 一週目は相談員四人で対応し、二週目以降は三人で相談を受け付ける。

 今後は、結果や内容を分析し、本格的な導入に向けて検討を進めていく。来年度は、本格導入ではなく、再び試行的に実施することを予定している。

(市町村 2018-09-03付)

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