プログラミング的指向で社会を効率化 “良さ”周知が重要 道研所内アカデミーで新保氏
(道・道教委 2019-05-22付)

道研所内アカデミー
座談会メンバーや新保氏を中心に対話を展開した

 道立教育研究所は15日、同所で所内アカデミー「未来の教室プロジェクト」を開いた。前札幌市立屯田小学校長の新保元康氏を招き、「プログラミング教育はなぜ必要か」をテーマに、座談会やトークセッションを通して意見交換。他の所員もタブレットを用いて随時意見や感想・疑問などを投稿し、リアルタイムで対話に参加した。新保氏は、プログラミング的思考で社会を効率化していくことの「良さ」を周知することの重要性を説いた。

 北村善春所長の開会あいさつのあと、テーマ「プログラミング教育はなぜ必要か」について座談会メンバーによる意見交換を行った。他の所員は道研のタブレットをそれぞれ持ち、メッセージ機能を用いて対話に参加。感想や意見をリアルタイムで入力し、モニターに映し出すことで座談会メンバーとの双方向のやりとりを実現した。

 冒頭、13日に小学校のプログラミング教育充実研修を開いたことを取り上げ、運営者の一人が研修の様子を紹介。学校現場の教員がプログラミング教育に不安や焦りを感じていることや、話題がプログラミング教育の目的から離れ、教材や指導法に集中していることなどを課題に挙げた。

 これを受けて、「プログラミングをすることが目的になってしまうと、つぎのステップにもっていくのが難しい」「学校現場は時間がないので、即効性のあるツールを求めるのも当然では」などの意見が挙がった。

 続いて、新保氏と所員有志を交えて意見交換。プログラミング教育に対する拒絶反応や苦手意識がみられることなどに対して、「既存のものと新しく取り入れるものとの関係性を取り上げ、不安を軽減できたら」「プログラミングの論理的な思考と我々の普段の思考にはギャップがあるので、相手の思考を整理しながら引き出していかなければならないのでは」など、今後の研修運営を展望する声があった。

 意見を踏まえ、新保氏は現場でのプログラミング教育推進の難しさについて分析。「行間を読んであいまいな言葉のやりとりをするのが私たち日本人の特徴。しかしプログラミングは真逆で、明解にしていかなければ間違う」と日本人のもつあいまいさの感性との相違点を指摘した。

 また、プログラミング的思考で社会を効率化していくことの「良さ」を周知することの重要性を説いた。

 このあと、北村所長と新保氏によるトークセッションを実施。ICTを活用した研修会の進め方やポイント、プログラミング教育の目的などが話題に上った。

(道・道教委 2019-05-22付)

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