石狩市の教育行政執行方針 厚田学園等にCS 教育プラン見直しへ
(市町村 2019-07-23付)

石狩市教育長鎌田英暢
石狩市教委・鎌田英暢教育長

 石狩市教委の鎌田英暢教育長は11日、第2回市議会定例会で令和元年度教育行政執行方針を説明した。学力の着実な定着と学習指導の工夫の充実に向け、1校1プランを策定する考えを表明。2年度に開校する厚田学園、石狩八幡小学校でコミュニティ・スクールを先行実施し、3年度に市内全校に一斉導入することを示した。このほか、現行プランの基本構想を意識し、市教育プランの見直しを行うことを説明した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【自ら学ぶ意欲を育てる教育】

▼確かな学力を育む教育

 新学習指導要領の趣旨を踏まえ、確かな学力の育成のため、「基礎的・基本的な知識および技能の習得」「個に応じた指導の充実」「学習環境の整備と充実」の3点を念頭に、平成30年度全国学力・学習状況調査の結果などからみられた課題の改善に向けて取組を進める。

 主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善として、相手意識をもち、自分の考えを広げたり深めたりする活動の充実や目標に向けた学習課題の設定によって「何をどのように学ぶか」の見通しと「何を学んだか」の自覚や「どのような変容があったか」の実感ができるように、振り返りを大切にした指導を工夫しながら進める。

 学力の着実な定着と学習指導の工夫の充実に向けては、1校1プランを策定し、授業と連動させた宿題、家庭学習の取り組み方の指導、放課後学習など、基礎学力の定着を一層確かにする取組を進めるほか、これまで行ってきた花川北地区の学校力向上に関する総合実践事業、花川南地区の授業改善等支援事業、エキスパート・サポーターの増員など、学習指導の充実を図る。

 また、小・中学校間での連携として、中学校の試験期間に合わせた小学校の家庭学習週間の設定や、生活・学習規律、家庭学習時間などの小中での基準化、校内研修への学校間の相互参加の取組を進める。

▼魅力ある学校づくり

 昨年12月に策定した市立学校における働き方改革推進計画では、教員の長時間勤務の解消に向けて、「時間外勤務時間の縮減」「部活動休養日の実施」「定時退勤日・学校閉庁日の設定」などについての目標を定め、教員が本来担うべき業務に専念できる環境の整備や部活動指導の負担軽減に向けた取組を進めることを明記した。

 学校現場においては、勤務時間を意識した働き方の推進と学校運営体制の充実を進め、市教委は、専門スタッフ等の確保や、業務時間外における学校への電話を転送する装置の運用を開始し、教職員の負担軽減を図る。

 次年度に開校する石狩八幡小学校と厚田学園については、校章や校歌、教育課程やカリキュラムの在り方など、地域の意見も踏まえながら鋭意検討を深め、地域の特色を生かした新しい学校をつくる。

 また、開校に合わせて2校にコミュニティ・スクールを先行実施し、その成果や検証をもって令和3年度に市内全校で一斉に導入する。

▼より良い教育環境の整備

 これからの時代に求められるICT教育を推進するため、すべての普通教室への電子黒板の導入を開始する。

 学校給食においては、石狩産食材の使用率をさらに引き上げ、安全安心でおいしい給食の提供に努める。

【思いやりと豊かな心・健やかな体を育む教育】

▼心身の健やかな成長を促す教育

 家庭やPTAと連携しながら、引き続き生活リズムチェックシートや「生活習慣改善チラシ いしかりふれあいDAY」を活用し、課題となっているテレビやスマートフォン、ゲームの使用時間の縮減に取り組み、望ましい生活習慣の定着を図る。

 体力向上のためには、体育の授業や行事はもとより、新体力テストの全学年実施や各学校独自の1校1プランを実施するほか、小学校でティーボールをもとにした簡易化されたゲーム等に取り組み、市民のスポーツ「ソフトボール」の普及につながる指導を行っていく。

 また、放課後を利用し運動能力の効率的、効果的な獲得を目指す放課後すこやかスポーツ教室を継続する。

【地域で学び・育ち・活きる教育】

▼教育プラン改定に向けて

 本年度は、市教育プランの見直しを行う。自らの意志をもって学び、成長することに喜びを感じ、思いやりをもって人とふれ合うことに豊かさを感じ、協働によって未来の地域社会を担う「自立する市民」を育むという現行プランの基本構想を意識し、教育大綱を改訂する市長部局とも一層密に連携しながら、教育に関係するすべての人と力を合わせ、内容を練り上げていく。

(市町村 2019-07-23付)

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