道教委が学力・学習調査結果公表 全教科で全国平均下回る 英語「聞く」領域 全国と並ぶ
(道・道教委 2019-08-01付)

道立公立学校の各教科の平均正答率
道立公立学校の各教科の平均正答率(クリックすると拡大表示されます)

 道教委は7月31日、本年度全国学力・学習状況調査結果を発表した。各教科の平均正答率は、小学校は国語が1・0ポイント、算数が2・1ポイント、中学校は国語が0・7ポイント、数学が1・7ポイント全国平均を下回った。初実施となった中学校英語は、全国を1・8ポイント下回った。「聞く」領域の問題の正答率が全国と並んだ一方、「読む」「書く」領域で全国を下回った。佐藤嘉大教育長は「子ども一人ひとりに応じたきめ細かな指導を行うことができるよう、市町村教委、学校、家庭、地域との連携を一層深め、効果的な学力向上の取組を推進していく」とのコメントを発表した。

 札幌市を含む結果。

 道教委は、各教科の平均正答率について、国が公表した整数値と国から提供されたデータをもとに、独自に少数値を算出。前年度と同様、整数値と少数値の2種類の数値で発表した。

 本道の実施校数は、小学校が997校、中学校が584校の計1581校。児童生徒数は小学校が3万8837人、中学校が3万7859人、合計7万6696人だった。

 本年度調査では、従来の主に知識に関する「A問題」と主に活用に関する「B問題」を一体的に問う問題に変更。新たに中学校英語を加えた。

 各教科の平均正答率を少数値でみると、小学校は国語が62・8%、算数が64・5%。中学校は国語が72・1%、数学が58・1%、英語が54・2%。

 全国平均と比較すると、小学校は国語が1・0ポイント、算数が2・1ポイント、中学校は国語が0・7ポイント、数学が1・7ポイント、英語が1・8ポイントいずれも下回った。

 中学校国語は、選択式、短答式の問題の平均正答率が全国平均以上となったものの、読解内容を言語化する記述式問題で全国平均を下回った。

 英語では、「聞く」領域の問題の正答率が全国と同じだった一方、「読む」「書く」領域で全国を下回った。

 児童生徒質問紙調査をみると、授業で課題解決に向け自分で考え、自分から取り組んでいたと回答した児童生徒の割合は、前年度と比べ小・中学校とも3・4ポイントアップ。一方、全国平均と比べると小学校が2・1ポイント、中学校が2・5ポイント下回った。

 学校の授業時間以外で普段(月~金曜日)、1日1時間以上勉強している児童生徒の割合は、前年度よりも小学校で0・5ポイント高く、中学校がで1・5ポイント低い。全国と比べ小学校で8・5ポイント、中学校で6・6ポイント低い。

 中学1・2年生時の授業において、聞いたり読んだりしたことについて、生徒同士で英語で意見を述べ合っていた活動を行っていたと回答した生徒の割合は全国より1・1ポイント高かった。

 学校質問紙調査では、児童生徒の姿や地域の現状などに関する調査、各種データなどに基づき、教育課程を編成・実施し、評価・改善を図るPDCAサイクルを確立している学校の割合は、小学校が前年度比7・7ポイントアップ、中学校が8・3ポイントアップと大きく改善。全国との比較では、小学校で18・9ポイント、中学校で19・4ポイント高い。

 中学校2年までの英語の授業で、聞いたり読んだりした内容を生徒同士で英語で話し合う言語活動を「よく行った」と回答した学校の割合は、全国より5・0ポイント高かった。

 道教委は今後、本年度の成果や課題、管内別の状況などをより詳細に分析し、11月上旬に報告書としてまとめる予定。

◆佐藤教育長のコメント

 平成31年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査は、国語、算数・数学において知識と活用を一体的に問う問題に見直されるとともに、新たに中学校に英語を加えて実施され、本道の状況は、全国との差が小学校で最大マイナス2・1ポイント、中学校で最大マイナス1・8ポイントであり、すべての教科で全国平均に届いていない。

 道教委は、これまで、継続的な検証改善サイクルの確立、基礎的・基本的な知識・技能はもとより、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力などを育み、主体的に学習に取り組む態度を養う授業改善、家庭や地域と連携した望ましい学習習慣・生活習慣の定着に向けた取組を市町村教委、学校、家庭、地域と協力して進めてきた。

 本年度は、調査問題が知識と活用を一体的に問う内容となったが、調査結果の全体的な傾向としては、全国との平均正答率の差はこれまでと同様であり、学校以外で勉強をする時間についても、全国と比べて依然として短いなど、十分に改善されていない。

 今後、さらに詳細な分析を進め、子ども一人ひとりに応じたきめ細かな指導を行うことができるよう、市町村教委、学校、家庭、地域との連携を一層深めるとともに、地域や学校の実情を踏まえ、効果的な学力向上の取組を推進していくので、教育関係者や保護者の方々はもとより、広く道民の皆さんの理解と支援を賜るよう、よろしくお願い申し上げる。

 道教委は7月31日、本年度全国学力・学習状況調査結果を発表した。各教科の平均正答率は、小学校は国語が1・0ポイント、算数が2・1ポイント、中学校は国語が0・7ポイント、数学が1・7ポイント全国平均を下回った。初実施となった中学校英語は、全国を1・8ポイント下回った。「聞く」領域の問題の正答率が全国と並んだ一方、「読む」「書く」領域で全国を下回った。佐藤嘉大教育長は「子ども一人ひとりに応じたきめ細かな指導を行うことができるよう、市町村教委、学校、家庭、地域との連携を一層深め、効果的な学力向上の取組を推進していく」とのコメントを発表した。

(道・道教委 2019-08-01付)

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