道教委の30年度活動状況報告書 31施策の半数「計画どおり」 確かな学力育成で進展
(道・道教委 2019-09-03付)

 道教委は、『平成30年度道教委の活動状況に関する点検・評価報告書』をまとめた。31施策項目を「計画どおり」「概ね計画どおり」「進展あり」「進め方を検討」の4段階で評価。総合評価の結果では、「計画どおり」が15本、「概ね計画どおり」「進展あり」が各8本。「進め方を検討」と評価された施策項目はなかった。施策項目のうち、「義務教育における確かな学力の育成」では、PDCAサイクルを確立している学校の割合の指標が目標値に達していなかったものの、施策の進展がみられたため「進展あり」と評価した。

 道教委は、効果的な教育行政の推進や道民への説明責任を果たすため、平成20年度から毎年度、学識経験者の知見を活用しながら事務の管理・実行状況を点検・評価。報告書を議会に提出・公表し、施策に反映させている。

 今回は、30年度に行った活動状況や道教育推進計画に掲げた施策項目ごとに、PDCAサイクルによる取組状況や施策の課題、今後の方向性を整理するとともに、目標指標の進ちょく状況などを踏まえ評価した。

 基本理念には「自然豊かな北の大地で世界を見つめ、自立の精神にあふれ自ら夢に挑戦し、実現していく人を育む」「ふるさとへの誇りと愛着をもち、これからの社会に貢献し、共に支え合う人を育む」の2点を設定。これらの実現に向けた目標として、①社会で活きる力の育成②豊かな人間性の育成③健やかな体の育成④学びを支える家庭・地域との連携・協働の推進⑤学びをつなぐ学校づくりの実現⑥学びを活かす地域社会の実現―の6点を掲げ、それに準ずる31の施策項目を評価した。

 施策項目ごとに総合評価の結果をみると、「計画どおり」は、「体力・運動能力の向上」など15本、「概ね計画どおり」は、「国際理解教育の充実」など8本、「進展あり」は「義務教育における確かな学力の育成」など8本。「進め方を検討」と評価された施策項目はなかった。

 施策項目1―1「義務教育における確かな学力の育成」では、PDCAサイクルを確立している学校の割合の指標が目標値に達していなかったものの、小学校で6・7ポイント、中学校で5・3ポイント改善されるなど、施策の進展がみられたことから「進展あり」と評価した。

 「計画どおり」と評価された施策項目14「体力・運動能力の向上」では、30年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査における体力の合計点について、目標の全国平均には届かなかったものの、29年度と比較すると、小学校女子、中学校男女で上昇。体育の授業以外で1週間に60分以上、運動・スポーツをする割合では、目標値に達しなかったものの、小学校男女が全国平均を上回り、中学校男女は29年度の結果を下回った。

【評価の考え方】

 評価は、大きく分けて「目標指標の評価」と「施策項目の評価」の2点。

 目標指標の評価では、各項目で設定した目標指標の進ちょく率によって「a」「b」「c」「d」の4段階で評価した。

 施策項目の評価は、「定量評価」「定性評価」「総合評価」の3点を設定。

 定量評価は、目標指標の評価によって3段階で評価し、aまたはbを「A」評価、cがある(dはない)を「B」評価、dがあるを「C」評価とした。

 定性評価は、定量評価を補足するため、2段階で評価。「前年度の点検・評価の結果、明らかとなった課題等を踏まえ、計画した取組を着実に進めているか」「課題の解消が進んでいるか」「施策の目標達成に向けた成果が見られるか」の3観点で評価し、すべてを満たしていると認められる場合を「進展あり」、それ以外を「進展なし」と定めた。

 定量評価と定性評価の相関によって決める総合評価は、「計画どおり」「概ね計画どおり」「進展あり」「進め方を検討」の4段階で評価した。

(道・道教委 2019-09-03付)

その他の記事( 道・道教委)

全道高校教育改善研 道教委所管事項説明・上

 道教委は8月27日、道庁本庁舎で令和元年度全道高校教育改善研究協議会を開いた。テレビ会議で道内各教育局と接続して実施。道高校長協会本部役員や各管内の代表高校長など41人が出席し、教育行政上...

(2019-09-04)  全て読む

2~4年度公立高配置計画決まる―道教委 14校で募集学級増 羅臼が地域連携特例校に

 道教委は、3日に開いた教育委員会会議で、令和2~4年度公立高校配置計画を決定した。本年度の入学者選抜の結果、学級減を行った26校のうち、長沼高校など14校について、2年度の募集学級数を1学...

(2019-09-04)  全て読む

道教委2年度特別支援配置計画 東川養護など1学級増 道央の定員確保は既設校で

 道教委は、3日に開いた教育委員会会議で令和2年度特別支援学校配置計画を決定した。6月の計画案について、東川養護学校(重複)、真駒内養護学校(重複)をそれぞれ1学級増に変更。道央圏の定員の確...

(2019-09-04)  全て読む

檜山局独自 管内幼小合同研修会 円滑な接続・連携など理解 千葉大の砂上教授招き

檜山局幼小合同研修会  【函館発】檜山教育局は8月上旬、檜山合同庁舎で同局独自事業として管内幼小合同研修会を開いた。各町の教職員55人が参加。千葉大学の砂上史子教授による講話とグループ演習を通して、幼小における円...

(2019-09-03)  全て読む

道教委と3団体が文教施策懇談会 勤務時間把握を試行 20校指定、来年度本格導入へ

 道教委と道高校長協会(宮下聡会長)、道高校教頭・副校長会(鈴木浩会長)、道公立学校事務長会(坂井秀昭会長)の3団体との令和2年度道文教施策要望にかかる教育懇談会が8月30日、道庁別館で開か...

(2019-09-03)  全て読む

道青少年健全育成条例の改正案 “自画撮り”要求に罰則 悪質常習者は懲役など

 道は、10日開会の第3回定例道議会に、青少年の自画撮り画像を求める行為への罰則を盛り込む道青少年健全育成条例改正案を提出する。他の自治体と同様、30万円以下の罰金を科すほか、道独自の方針と...

(2019-09-02)  全て読む

佐藤教育長が釧路管内学校訪問 教員養成の重要性実感 初の教育大視察で意見交換

佐藤教育長釧路管内学校訪問  【釧路発】道教委の佐藤嘉大教育長は28日、釧路管内の学校3校を訪問し、教育活動を視察した。前日に開催した移動教育委員会に併せて実施したもの。委員5人と共に、道教育大学附属釧路小学校、道教育...

(2019-08-30)  全て読む

第1回道文化財保護審議会 保存活用へ大綱策定 骨子案示し意見交わす

道文化財保護審議会  道文化財保護審議会は27日、札幌市内の道第2水産ビルで令和元年度第1回審議会を開いた。道教委が文化財の指定(登録)状況を報告したほか、道文化財保存活用大綱の策定に向け、大綱の骨子案を示し意...

(2019-08-30)  全て読む

オン・オフライン研修で実証開始 英語の効果的指導推進 レッスンプラン作成し授業 道教委

 道教委は文部科学省の委託を受け、オンライン・オフライン研修実証事業の取組を開始した。生徒の英語の「話す」「書く」技能向上に向け、へき地校などの英語担当教員を対象に、インターネットによるオン...

(2019-08-30)  全て読む

平成29年の道立校いじめ重大事態 再調査は行わない方針 道 調査委員会審議を受け

 道は28日、平成29年に道立学校で起きた「いじめによる重大事態」の再調査を行わない方針を明らかにした。道いじめ調査委員会が審議の結果、「再調査の必要性なし」と回答したことを受け、決定したも...

(2019-08-30)  全て読む