道教育大附属釧路中で道経産局が特別授業 RESASで地域を分析 社会科等の教材に活用可能
(学校 2019-09-26付)

道教育大付属釧路中RESAS
タブレットPCを使いながら受講する生徒たち

 【釧路発】RESASを知っていますか―。道教育大学附属釧路中学校(早勢裕明校長)は18・19日、2年生を対象に経済産業省道経済産業局の職員を招いた特別授業を行った。生徒は、ウェブブラウザ上の地域経済分析システムツール「RESAS」の使い方を学んだ上で、釧路市の人口、産業構造などを分析する演習に挑戦。他都市との比較を通して、魅力あるまちにするための方策を考えた。

 RESAS(リーサス)は、「Regional」「Economy」「Society」「Analyzing」「System」の頭文字を取って名付けられた地域経済を分析するためのツール。ウェブブラウザ上で誰でも無料で利用できる。内閣府のまち・ひと・しごと創生本部が開発し、平成27年に供用開始した。

 経産省では、地域創生に向けてRESASの普及促進を図っており、その一環として、道経済産業局が企業・団体・大学などで出前講座を展開。釧根管内での開催は、同校が初となる。

 18・19日の両日、2年生3クラスで同様の授業を展開。2コマ連続の社会科授業として行い、1コマ目にRESASの使い方を学び、2コマ目にRESASを使った演習に挑戦した。講師は、同局企画調査課の岩見文哉氏が務めた。

 岩見氏はRESASについて「地域の将来の姿を予測し、地域の実情に応じた施策立案を支援するもの」と解説。その特徴として、市町村単位の人口推移・予測、地域経済循環状況、産業構造、観光動向などが図やグラフで簡単に把握できることを挙げた。

 生徒は、タブレットPCでRESASにアクセスし、岩見氏の指示のもと、旭川市の人口ピラミッド、人口社会増減数、第1・2・3次産業別の生産額などを確認。2045年までの人口予測が大きな減少カーブを描いていることや、1次産業の1人当たり付加価値額が1719市区町村中205位になっていることなどを把握した。

 引き続き、演習に移り、釧路市と道内の他都市を比較分析した。グループごとに比較する都市を9市から選択。「2015年と2045年の年少・生産年齢・老年人口」や「第1・2・3産業ごとの付加価値額と全国での順位」などをRESASで調べ、ワークシートに書き込んだ。

 その上で、釧路市および比較した都市が今後どのようなまちになっていくのか、またどのようなまちになれば現在よりも魅力的なまちになるのかを話し合い発表した。

 授業を見守っていた同校の細野歩教諭は、最近までRESASを「知らなかった」と話すが、すでに授業研究や、社会科授業の教材にRESASを活用している。「調べたい情報がすぐに出てくる。また、データの出典が明確」と、利用するメリットを語る。

 岩見氏は、内閣府が「地方創生☆政策アイデアコンテスト」を開催していることにふれ、「今回の授業を受けた2年生が来年のコンテストに参加してもらえたら」と期待を寄せていた。

(学校 2019-09-26付)

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