【解説】教員の休日まとめ取り実現へ
(解説 2019-10-11付)

 中央教育審議会はことし1月、文部科学大臣に「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策」を答申。学校の働き方改革に向けた施策の一つとして、1年単位の変形労働時間制の導入を提言した。文部科学省は同月、公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを策定。時間外勤務の上限を1ヵ月で45時間、1年間で360時間と設定した。

 1年単位の変形労働時間制は、1ヵ月を超え1週間当たりの労働時間が40時間を超えないことを条件とし、業務の繁閑に応じて労働時間を配分することを認める制度。

 現行では地方公務員は地方公務員法で適用除外とされている。

 今回の法改正に伴い、各自治体において、1年単位の変形労働時間制が導入された場合、夏期休業期間に休日のまとめ取りが可能となる。

 年休取得などによって夏休みに10日間の休日のまとめ取りを実施している岐阜県では、臨時的任用の希望者が増加するなどの効果が挙げられている。

 文科省がまとめた制度導入による勤務時間のイメージによると、学校現場が多忙となる4・6・10・11月の計13週間において勤務時間を3時間延長し、合計で39時間増やすことで、8月に休日を5日間取得することが可能になると試算。年休を追加することで、10日程度の休日を連続で取得することが可能になるとしている。

 一方、中教審の働き方改革特別部会では、制度導入に当たっての課題として、長期休業期間における業務削減が前提であると指摘。学校の業務、教職員の役割分担の必要性、個々の教員の事情を踏まえた適用を求める声も上がっている。

(解説 2019-10-11付)

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