言葉の担い手育む授業へ 道国語教育研究大会札幌大会(関係団体 2019-10-17付)
約450人が参加した
道国語教育連盟(若松広美委員長)は11日、札幌市内の小・中学校を会場に、第74回道国語教育研究大会札幌大会を開催した。研究主題「言語活動を通して言葉への自覚を高め、言葉の力が身に付く国語科授業の創造」のもと、全道から約450人が参加。公開授業や分科会協議などを通して、言葉の担い手を育てる国語教育について研鑚を積んだ。
大会の研究主題は「言語活動を通して言葉への自覚を高め、言葉の力が身に付く国語科授業の創造」。実践課題として、小学校では「“効果的に位置付く言語活動”を通して、言葉の確かさ、豊かさを実感し、実生活に生きる力が身に付く授業」、中学校では「“学び合いが生まれる言語活動”を通して、言葉の価値を実感し、未来を切り拓く言葉の力が身に付く授業」を設定した。
当日は、札幌市内の小・中学校5校(中央小・二条小・資生館小・啓明中・陵北中)で16の授業を公開したほか、分科会で意見を交換した。
市立中央小学校で行われた開会式では、大会長を務める若松委員長があいさつ。「児童生徒を言葉を学ぶ担い手に導く。国語科教育の使命であり不易である」と話し、実り多い大会になるよう期待した。
来賓あいさつでは、道教委の小松智子学校教育局指導担当局長が登壇。「子どもの主体的で対話的な深い学びの実現に向けた授業改善が求められている」とし、学習指導の創意工夫を呼びかけた。
続いて、研究部長を務める札幌市立前田中学校の上田浩嗣教諭が研究主題を解説したあと、領域別に研究提言を行ったほか、京都女子大学発達教育学部の水戸部修治教授が「不易と流行~言葉の担い手を育てる国語科学習の展望」と題して講話した。
紹介する表現方法学ぶ
◆紹介する表現方法学ぶ 札幌市中央小6年1組公開授業
第74回道国語教育研究大会札幌大会では、札幌市内の小・中学校5校で16の公開授業が行われた。このうち、中央小学校では、6年1組「もののよさを人に伝える論展開とは~評論分析『鳥獣戯画』を読む」(日田洋吏教諭、児童数28人)の授業を公開。児童たちは、ものを紹介する表現方法などを学んだ。
7時間扱いの6時間目に当たる本時の目標は「筆者のものの見方や表現の仕方をもとにしてお気に入りの漫画の魅力を紹介し合うことで、言葉に対しての自分の考えを広げたり深めたりすることができる」。
単元のはじめに、児童はお気に入りの漫画の紹介文を作成。学習を通し、筆者の表現方法などを学んだ上で、再び紹介文を作成した。
本時では、児童が紹介文を用いて漫画の魅力を伝えた。漫画の実物と紹介文を手に、教室内を自由に歩き交流。
交流する際は紹介文の良い点を、①絵の描写②文章の表現③オリジナル―の3つの着眼点で評価。交流では、①はピンク、②は青、③は緑の付せん紙を紹介文に貼り付けさせた。
交流することで、お互いの良さを共有。より良い表現があった場合には、書き直しや付け加えることを認め、語いや表現の幅を広げさせた。
全体交流では、付せんの色ごとに、児童の紹介文の一節を板書した。
その上で、日田教諭は「紹介するためには、どんなことを意識すればいい?」と発問。絵の見方や文の書き方について工夫をするなどの意見が児童から上がった。
最後に、初回の授業で書いた紹介文と、書き直しや付け加えを行った紹介文を比較したほか、黄色の付せん紙に良くなった点を記入。児童たちに自身のものの見方や表現の仕方が広がったことを実感させた。
(関係団体 2019-10-17付)
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