迅速で組織的対応を　いじめ対応研修会　札幌市教委

（札幌市 2020-10-29付）

教育相談担当教諭など２０人が参加した

　札幌市教委は２３日、市内ちえりあで令和２年度高度教育課題研修「いじめの対応と学校体制の在り方」を開いた。市内の小・中学校等から教育相談担当教諭など約２０人が参加。児童生徒担当課の三田村剛学校相談支援担当係長が講師を務め、いじめの事案に対し、学校として迅速で組織的な対応を行う重要性を説いた。

　研修は、いじめ等のない信頼される学校づくりに向けた取組や、いじめに対する組織的対応の在り方について、講義や様々な事例から学ぶことがねらい。

　講師の三田村係長は、国や札幌市におけるいじめの防止等のための基本的な方針やいじめ防止対策推進法などについて説明した上で「いじめに当たるかは否かの判断は、表面的・形式的にすることなく、いじめられた児童生徒の立場に立つことが必要」と指摘。いじめの認知について、特定の教職員だけでなく、学校におけるいじめの防止等の対策のための組織を活用して行う必要性を示した。

　また「被害・加害の関係が入れ替わるなどしながら継続することがある」「暴力を伴わないいじめの場合、よくある児童生徒同士のふざけ合いやトラブルにしか見えないことがあり、気付かずに見過ごしてしまうことがある」などの事例を提示。

　その上で「いじめの可能性のあるすべての事案に“いじめかもしれない”という姿勢で対応する」「特定の教員で抱え込まず、対応について教職員一人ひとりが分担して役割を果たす等、速やかに組織的な対応を行う」など、学校組織として迅速な対応を図る重要性を説いた。

(札幌市 2020-10-29付)