札幌市常盤中「市への提言」発表会　ふるさとの発展願い　ＳＤＧｓと関連付けた話題も

（札幌市 2020-12-25付）

札幌の自然を守るための提言についても発表

　札幌市立常盤中学校（森剛彦校長）は１７日、同校で３年生の総合的な学習の時間「札幌市への提言」発表会を開いた。３年生６９人が、環境や災害、観光などをテーマに、ＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）と関連させた市の発展を目指す方策を考案。内申点制度の在り方や体力向上に向けた取組など身近な課題に対しても、他都市の事例をもとに提言内容をまとめ、真摯に課題と向き合った成果を発表した。

　３年生における総合的な学習の時間では、生徒一人ひとりが札幌の抱えている課題に着目し、解決策を考察する学習を展開。例年、「札幌市への提言」として発表会を行っている。

　発表会では、データの活用や他都市、海外の事例などを参考に市の特性を生かした解決策や意見について、一人ずつ提言内容を発表した。

　給食と環境をテーマとした生徒は、大人になってもおいしい給食を食べることができるレストランの開店を提言。北海道産の食材を活用し、地産地消だけではなく、「ＳＤＧｓ未来都市札幌」として食品ロス削減に向けた取組を進め、ＳＤＧｓの「飢餓をゼロに」などにつながることを説明した。

　高校入試における内申点の計算方法について発表した生徒は、愛知県と市の計算方法を比較。愛知県は学年末の評定のみが内申点に反映されることを指摘した上で、「忙しい中学校生活においては、愛知県の方式が効果的」「まずは市立高校で試行し、道立、私立高校へと段階的に試行していくとよいのでは」と提言した。

　また、ある生徒は、市を訪れる観光客のうち、夏に中央区を観光することが多いというデータを示した上で、観光客数の少ない区に涼しさを生かした公園や美術館を建設するとよいなどの案を発表した。

　発表後、市まちづくり政策局の成澤元宏企画課長が講評。「市が抱える課題を自分事としてとらえ、自分の考えをしっかりと発表していた。ＳＤＧｓを取り入れた提言もあり、大変魅力的」と高く評価。「今後も自分たちのまち札幌に引き続き興味・関心をもち続けてほしい」と呼びかけた。

　なお、次年度からは、教育活動のさらなる充実に向け、取組の１時間目「札幌市の現状と抱える問題」から、市まちづくり政策局の全面協力を受ける予定。

(札幌市 2020-12-25付)