札幌市立小専科指導　国の加配定数　２年度は過去最多４４人　担任負担減など業務改善に

（札幌市 2021-01-26付）

　札幌市立小学校専科指導（英語以外）にかかる過去４年間の国の加配定数が明らかになった。令和２年度は、平成３０年度からの英語を除く加配定数が、過去最多の４４人となった。元年度と比較して約２・５倍。加配活用校では、空き時間の確保による学級担任の負担軽減など、業務改善効果が表われている。

　文部科学省は、平成２４年度から小学校における専科指導教員の加配を開始した。

　市教委は、個に応じたきめ細かな指導の一層の充実を図る観点のもと、２７年度から専科指導についての実践研究を実施。専科指導の進め方や実践例などを掲載した『小学校専科指導の手引』なども発行し、各校に配布してきた。

　昨年３月には国の加配を受け、教員の加配事項を、これまでのチーム・ティーチングや少人数指導を行う指導方法工夫改善から、小学校専科指導（教科担任制を見据えた発展的見直し部分）に変更。小学校における教科担任制導入の推進および働き方改革の観点に基づき、高学年の算数、外国語、特別の教科　道徳、外国語活動および特別活動以外の教科において、専科指導に活用したい加配定数の希望調査を開始した。

　英語以外の小学校専科指導にかかる加配定数は、２９年度９人、３０年度１４人、元年度１７人、２年度４４人と推移。過去４年間では、２９年度と比較して約５倍となった。

　加配を活用し、専科指導を行っている学校現場からは、「専科指導教員が指導している間、学級担任が教材研究などの業務を行うことができる」「実験器具や実習材料の準備などの手間が省ける」など、業務改善の効果を実感する声が上がっているほか、校内アンケートを実施している学校では「専科指導の導入によって、“授業が分かる”“楽しい”などの効果が実感できた」と回答した児童や保護者の割合が９割を超えるなど、学習意欲の向上につながっている。

(札幌市 2021-01-26付)