札幌市中学校長会 各部の2年度 研究成果第6回 感染防止踏まえ防災機能充実 施設部 具体策の明確化が重要(札幌市 2021-03-18付)
第6課題 新たな未来を紡ぎ、よりよい社会を創る力を育む施設・設備―生徒の主体的・対話的で深い学びを支え、社会の変化に対応する施設・設備の充実
▼研究の視点
今日的課題に対応する施設・設備の究明
▼研究内容
▽学校施設・設備の効果的な改修や維持管理の充実
本年度は、改修実施校への聞き取り調査の中で、各校の振り返りの視点を重視した項目の分析に注目し、各改修時期における留意点を整理した。また、効率的に改修を進めるためのリニューアル改修工事チェックシート(来年度に提示予定)について研究を進めた。
・基本設計の時期
生徒や職員が使いやすい教室配置や施設・設備を洗い出す。予算は限られているので、改修の優先順位を決める。近年改修した学校を実際に見学し、現在の標準仕様を理解して検討する。
・実施設計の時期
各仕様等の細かな調整を行う(教室の壁色、掲示板、棚の仕様等)。すべての仕様を決定するため、膨大な調整作業が必要。手間はかかるが、丁寧に進める必要がある。
・工事1・2年目
教職員へ、工事計画、協力の要請、物品の移動計画をできるだけ早く周知。学校行事予定を工事関係者に早めに伝える。会議には事務職員や用務員の同席も場合によっては考えられる。管理職は共感と理解が得られるように、教職員のアプローチを工夫する。
・「中学校版・リニューアル改修工事チェックシート」の作成に向けた取組
前年度、市小学校長会施設財政部の研究発表で、校舎新築工事のチェックシートの作成が報告された。その情報を得て、中学校の実情に合わせたチェックシート内容の整備を現在進めており、来年度の中学校版・リニューアル改修工事チェックシートの初版完成を目指している。
▽安全・安心・環境に配慮し、防災機能を充実させるための学校施設・設備の充実
校長として、自校の学校施設・設備において避難所が開設される場面を想定し、使用が設定されている学校施設・設備の配置やその現状、周辺の状況を再確認して把握しておくことが必要となる。
また、使用される各学校の施設・設備について、避難所開設・運営時に、新型コロナウイルス感染症の対応に伴って課題となる点についてあらかじめ予測し、掌握しておくことも重要である。
さらに、避難所運営と学校教育活動が並行した場合、教育活動に最低限必要となる施設・設備を学校としてあらかじめ想定しておくことが必要となる。
これらを踏まえ、避難所運営側と学校がより多面的に、そして様々な可能性から学校施設・設備の有効な活用について継続して検討することが、この先重要となる。そのことによって、災害時の新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を踏まえ、学校として生徒の安全・安心を確保し、防災機能を充実させていくための、手立ての一つになるものと考える。
▽多様な学習形態や学習環境に対応する学校施設・設備の充実
GIGAスクール構想のような大きな取組が行われるときには、校長がリーダーシップを十分に発揮し、組織的に対応することが大切である。各学校では、①校内のICT推進体制の強化②校内の研修体制の構築③校内備品の保守管理体制の見直し―に留意し推進する必要がある。
学校のICT推進における今後の課題としては、教職員間の意識の温度差の解消、全校での端末ルールの徹底、ICT支援員制度の充実などが挙げられる。
▼次年度への課題と展望
施設部では「今日的課題に対応する施設・設備の究明」という視点から調査研究を推進してきた。
本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止についても、喫緊の課題として視点に加え、研究を進めることとした。
学校施設・設備の効果的な改修や維持管理では、リニューアル改修実施校への聞き取り調査の「振り返りの視点を重視した項目」に注目して、各改修時期における留意点を整理した。また、効率的に改修を進めるために有用と考え、リニューアル改修工事チェックシートの内容について研究を進めた。
改修実施校は、限られた予算の中で「子どもたちの主体的な活動を支援する施設整備」「安全でゆとりと潤いのある施設整備」「地域と運携した施設整備」を踏まえ、計画的にリニューアルを進めていかねばならない。次年度はさらに研究を深化させ、リニューアル改修工事チェックシートを完成させ、全体に提示したい。
安全・安心・環境に配慮し、防災機能を充実させるための学校施設・設備では、災害時への対応にかかる施設・設備について研究を進めた。本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、校長として押さえておくべき知識のみならず、具体的な対策を明確にしておくことの重要性を確認した。次年度は災害時の施設・設備の整備における感染症対策の課題について整理し、具体的に実施されるべき対策などについて、研究をさらに進めていかねばならない。
多様な学習形態や学習環境への対応では、1人1台タブレット端末等の整備事業の目的が達成されるよう、校長として準備・推進すべきことを整理した。
次年度は、校内における推進体制や教職員の意識の向上の在り方の検討と併せ「これによって具体的に何ができるのか」や「タブレット端末活用を進めるための施設・設備上の課題」について、市教委の協力を得ながら、具体案にかかわる研究を進めていきたい。
次年度も新型コロナウイルス感染症の状況を注視し、教職員・生徒・保護者・地域住民の立場等、幅広い視野に立った研究を進めていく。
また、より充実した教育活動が行われるための学校施設・設備は具体的にどのようにあるべきか、さらに研究を深めなければならない。
(札幌市 2021-03-18付)
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