渡島局が管内公立学校長会議 他者尊重し変化乗り越え 谷垣局長 リーダーシップ期待(道・道教委 2021-04-16付)
【函館発】渡島教育局は9日、函館市内の亀田交流プラザで管内公立学校長会議を開いた。管内の小・中学校、幼稚園、教育委員会から25人が参加。令和3年度重点事項の説明では、谷垣朗局長が、①そろえる②徹底する③見せる④守る⑤見つける―の5つの行動指標の継続と徹底を求めた。目指す子ども像では、「あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるよう資質・能力の育成に努めてほしい」と呼びかけ、校長のリーダーシップと学校経営に期待を寄せた
本年度も昨年と同様、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、参加者を各市町の代表者2人までに限定した。
谷垣局長があいさつしたあと、浦田慎一義務教育指導監、小橋由一郎企画総務課長、毛利繁和主幹、成田仁教育支援課長が、各課所管事項として本年度の事業や働き方改革推進に向けた取組などを説明した。
◆「そろえる」「徹底する」重点に
谷垣局長のあいさつ概要はつぎのとおり。
新型コロナウイルス感染症への対応に関して、渡島管内の子どもたち一人ひとりの安全・安心な教育の推進に尽力いただいていることに、あらためてお礼申し上げる。
各学校においては、国や道の動向等を踏まえ、さらに市町教委が示す教育行政執行方針に基づき学校経営を進めていることを踏まえ、渡島教育局として、各学校に焦点化・重点化して取り組んでいただきたい内容を、5つの行動指標として示している。
3年度は、1月に示された中央教育審議会答申を踏まえ、図の中央、スローガンを「全ての子どもたちの可能性を引き出す」と変更している。
さらに、スローガンのもと5つの行動指標をブラッシュアップして示した。行動指標「そろえる」のサブテーマを「カリキュラム・マネジメントの定着」へ、「徹底する」のサブテーマを「主体的・対話的で深い学びの実現」へ、「見つける」のサブテーマを「いじめや不登校への対応、子どもの心のケア」と変更した。
管内においては、各学校のカリキュラム・マネジメントの取組や主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に進展がみられるが、学校教育全体のサイクルに位置付ける計画的な取組をさらに進めていく必要があることから、本年度は太枠で示している「徹底する」を前年度から引き継ぎ、「そろえる」を新たに重点としている。
5つの行動指標は、互いにかかわり合い、それぞれの行動指標の改善が他の行動指標の改善へと結び付き、教育活動全体の改善へとつなげていくことを示している。各学校においては、すべての子どもの可能性を十分に引き出すことができるよう、5つの行動指標に基づいた取組を関連させながら、より一層、教育活動の充実を図っていただきたい。
本年度の目指す子どもの姿は前年度と同様だが、その実現に向けた学びの在り方について、中教審答申を踏まえ、「個別最適な学び」「協働的な学び」に整理した。
こうした学びを通じて、児童生徒一人ひとりが自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるよう、その資質・能力の育成に努めていただきたい。
「目指す授業像」は変更せず、授業改善チェックシートには、GIGAスクール構想による1人1台端末の導入などを踏まえ、授業改善の視点として新たに「これまでの実践とICTを最適に組み合わせ、有効に活用している」という項目を加えた。
各学校では、本チェックシートを活用して、目指す子どもの姿の実現に向け、先生方が単元全体を通して授業のゴールを明確にするなど、学校全体での授業改善を着実に進めていただきたい。
◆不祥事根絶へ心に響く指導
最後に、教職員の不祥事の防止に関して、お願いがある。
これまでも様々な機会を通じて、不祥事の未然防止について教職員に指導いただいているが、教職員への指導や注意喚起に当たっては、職員会議などでの形式的な伝達にとどめることなく、管理職員が職員一人ひとりと向き合い、わいせつ行為や飲酒運転等の不祥事を絶対に起こすことのないよう、強いメッセージで心に響く指導を徹底していただきたい。
渡島教育局としては、管内すべての子どもたちがたくましく成長していくことができるよう、また、先生方が意欲をもって働き続けることができるよう、各学校、教委と協力して取組を推進していくので、1年間よろしくお願いしたい。
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(道・道教委 2021-04-16付)
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