熊谷会長 真摯に確かな実践を 道生総連が教育研究函館大会(関係団体 2021-10-12付)
約160人がオンラインで参加し、意見を共有した
【函館発】道生活科・総合的な学習教育連盟(=道生総連、熊谷雅史会長)は1日、第30回道生活科・総合的な学習教育研究大会函館大会をオンラインで開催した。研究主題「自ら学びの世界を拡げ よりよい自分を創る子ども」のもと、道内各地区の課題別分科会、2つの公開授業などを配信。児童が意見を明確化し、適切に伝えるために必要な支援を考えた。
日本生活科・総合的学習教育学会北海道支部共催、函館市生活科・総合的な学習教育研究会主管。道教委・函館市教委など後援。
道生総連は、研究の重点に①子どもの資質・能力を高めるカリキュラム・マネジメントの在り方②子どもの資質・能力を高める学びのプロセスの在り方―の2点を据えている。①では教科等横断的な学習によって、学習活動全体をふかんするほか、単元配列表作成を検証するなど、子どもの資質・能力の育成に向けて研究を推進。②では、学習の過程を一層重視し、子どもの育ちの到達点と通過点の明確化に向け、学びのプロセスの在り方を検証している。
開催に当たり、熊谷会長は令和の日本型学校教育の構築として、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実が求められていることにふれ、生活科・総合的な学習の時間で育成される資質・能力は、「正解のない複雑な課題に対して知識をフルに活用し、自ら考え判断し、他者と協働しながら最適解、納得解を導き行動する力につながる」と強調。一方、新型コロナウイルス感染症対策として、活動内容が制限されていることを踏まえ、「“今できること”“今だからできること”を第一に考え、学習者を主体とした確かな実践を真摯に積み上げていくことが最も大切。大会で参加者一人ひとりが見識を深め、新たな意欲への糧が得られれば」と期待を寄せた。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、生活科、総合的な学習の時間2教科で3人の授業者による2つの授業を事前にオンラインで限定公開。全道から約160人の申し込みが寄せられた。課題別分科会は各地区の代表者がオンラインで発表したほか、授業分科会はZoomのブレイクアウトルームを積極的に活用し、意見を出し合った。
記念講演では文部科学省初等中等局教育課程課の齋藤伸博教科調査官が「新学習指導要領の趣旨を踏まえた生活科・総合的な学習の時間の授業づくり」と題し話を進めた。
分科会における各地区の提言と提言者はつぎのとおり。 =敬称略=
▼課題別分科会=~子どもの自己判断を支援する教師のかかわり
▽渡島「青函トンネルがつなぐまちの魅力 知内・津軽今別交流―ICTの活用による時間・空間を越えた学びについて」―提言者・松本尚大(知内町知内小教諭)
▽留萌「地域の人、もの、ことを活用した学習単元づくり―ビオトープを活用した環境学習推進のための教師の工夫」―提言者・栗本将志(羽幌町羽幌小教諭)
▽上川「“課題の設定”にかかわる自己判断の支援について」―提言者・齋藤一樹(南富良野町南富良野小教諭)
▽函館「自ら判断・決定し、学びを進める子どもの育成を目指して」―提言者・遠藤哲史(函館市磨光小教諭)
▼課題別分科会=~探究を加速させる評価の工夫
▽釧路「“個の見取り”が生み出す協働的な学び―子どもをつなぐ教師のかかわり」―提言者・中村有佐(道教育大附属釧路義務教育学校前期課程教諭)
▽旭川「自己の変容を実感し、探究を加速させる評価の工夫」―提言者・玉木明里(旭川市東光小教諭)
▽オホーツク「評価計画と授業改善 before after」―提言者・吉野郁未(大空町東藻琴小教諭)
▽札幌「確かな資質・能力を育成するための地域素材の教材化と、探究を加速させる評価の在り方―5年総合“南区の宝=札幌軟石”の単元計画作成を通して」
―提言者・山下祐太(札幌市藻岩小教諭)
(関係団体 2021-10-12付)
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