釧路市城山小 公開研で道徳3授業 子の思い 自由に共有 佐野校長 日常とつながり大切に(学校 2021-11-24付)
1年道徳を指導する網村教諭
【釧路発】釧路市立城山小学校(佐野万由里校長)は12日、同校で公開研究会を開いた。釧路管内の小・中学校、認定こども園から42人が参加。事前に配信された道徳の授業動画についての研究協議を通し、授業力の向上を図った。
事前配信された公開授業は3本。低学年部会は1年1組・教材名「はしの上のおおかみ」(網村永志教諭)、高学年部会は5年1組・教材名「ほのぼのバス」(池田福重教諭)、特別支援部会はすみれ・すずらん学級・教材名「学きゅうえんのさつまいも」(阿部幸教諭)となっている。
同校は研究主題を「多様な価値に向き合い、よりよい生き方を考え続ける子どもの育成~子どもの心を動かす“考え、議論する道徳”の授業づくりを通して」と設定。4ヵ年継続研究の4年目に当たる本年度は、その成果を発表するとともに、釧路市教育研究センターの研修講座としても授業を公開した。
開会式では佐野校長があいさつ。4年間の研究の経緯を説明し「日常生活と道徳の時間とのつながりを大切にしたことで、自分の考えを発表したり話し合ったりする姿がみえてきている」と成果を示した。
続いて、兒玉千里研修部長が研究の概要を発表。4年間の研究の変遷について説明した。
思考の広がり・深まりを生む道徳授業の実践や、対話を意識した他教科での授業実践を積み重ねるとともに、日常生活と道徳の時間をつなげることで、自分の考えを発表したり話し合ったりする姿がみえてきたと成果を強調。今後の課題として、自分事としてとらえることの難しさや学校教育活動全体を通して、児童の道徳性を育むことの重要さを挙げ、研究協議での多くの意見を求めた。
事前配信した公開授業では、1年1組で網村教諭が読み物教材「はしの上のおおかみ」を活用し「温かい心で親切に」の内容項目について学習した。
本時のねらいを「おおかみやくまの行動、おおかみの変容について考えることを通して、親切な行動をすると、自分も周りの人も気持ちよくなることに気付き、優しい気持ちをもって進んで親切な行動をしようとする心情を育てる」と設定。
「親切にしたりされたりしたことはある?」という経験を振り返る事前アンケートから、親切に着目させることで「親切について考えよう」というねらいを提示した。
おおかみの行動が以前と変わった理由については、児童の「くまが親切にしていたから、おおかみもしたくなった」「みんなが喜んでいるからうれしくなった」という発言を取り上げ、「くまと同じことをしたのはなぜ?」「最初のおおかみと最後のおおかみの違いは?」などの問い返しの発問を行った。自分事としておおかみの気持ちを考えさせ、親切な行動をすると「自分も周りの人もうれしい」などといった親切な行動の大切さに気づかせた。
研究協議では「互いを思いやる優しい雰囲気が伝わり、活発な発言につながっていた。子どもとの関係がとても良好」といった声や、ロイロノートの活用を工夫することで、多くの意見を取り上げられるようになるとの指摘もあった。
助言した市教委の池理砂指導主事は、1年生は人間形成の入門期ともいえる時期とした上で「価値に迫る中心発問や問い返しの発問が、思考の広がりや深まりにつながっていた。考えることの焦点化が図られていた」とし、子どもの思いが自由に共有できる学級の雰囲気を評価した。
最後に、同校の校内研修プランにふれ、学校改善と授業改善を一体化して進めてきた今後の研究成果に期待を寄せた。
(学校 2021-11-24付)
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