プログラミング教育・学校力向上指定 児童が自ら学びを追究 40人参加 厚沢部小が公開研(学校 2021-11-25付)
外国語活動の公開授業ではプログラミング的思考を高める指導を展開した
【函館発】道教委の本年度プログラミング教育事業研究実践校で、地域指定を受けた学校力向上に関する総合実践事業の中核校・厚沢部町立厚沢部小学校(松村浩良校長)は2日、同校で公開研究会を開いた。檜山管内の教職員など約40人が参加。研究主題「“確かな学力”を身に付けた未来の創り手の育成」のもと、3年生の外国語活動と6年生の社会科の授業を公開。教科等横断的な指導や系統的かつ協働的な学習を通して、児童が自ら学びを追究する姿勢を育む授業づくりを紹介した。
同校はプログラミング教育事業の指定を受けて本年度で3年目、学校力向上に関する総合実践事業は初年度。これまでのプログラミング教育の成果や、児童の確かな学力の育成を目指し、学習の基盤となる資質・能力を土台に、ICTを活用した効果的な授業の検証を進めている。
◆3年外国語活動 6年社会科公開
公開授業では、渡邉真理教諭とALT(外国語指導助手)のメガナ・ブランドルさんが3年生(児童数16人)の「外国語活動」「Unit7 This is for you」を指導。プログラミング的思考を高める教科等横断的な授業づくりを目指し、プログラミング教材「Scratch」で図画工作の時間に作成したプログラムを、外国語活動のコミュニケーションツールとして活用した。
本時の目標は「友だちの好きな絵をつくるために必要な色や形などを尋ねたり、相手にその色や形を効果的に伝え合う」と設定。
渡邉教諭とメガナさんはタブレットと電子黒板を活用し、英会話の見本を提示。
図画工作で作成したプログラムを「Circle」「Triangle」「Square」とし、形とその色、個数について、児童同士で「What do you want?」「Bluestar please.」などと会話し、自分が必要なものが相手に分かりやすく伝わるよう、工夫しながらコミュニケーションを図るよう促した。
6年生(児童数19人)の社会科では、木野田香織教諭と土佐林洋介教諭が「明治の新しい国づくり」を指導。
本時の目標を「開国後の世の中の様子を理解し、資料や地図からこのころの世の中の様子について考える」と設定した。
両教諭は開陽丸や五稜郭の資料を提示し、児童に課題をロイロノートに入力させた。全体で共有後、学級全体としての課題を「開国後、世の中はどのように変わったのだろうか」と設定した。
児童はデジタル教科書を用いて、課題を考察。「開国後、人々の生活が苦しくなり、幕府に対して不満が高まった」「長州藩と薩摩藩が討幕を目指した」など、学習したことを付せんに記入し、交流。協働的な学びを通して、友人との意見を統合しまとめを考えさせた。
本時の振り返りはロイロートに記入。予想から振り返りまでの過程を確立し、次時につなげることで児童が主体的に学びを追究する姿勢を育んだ。
研究協議では、参加者が授業の良い点と課題点をロイロノートに入力して協議。「プログラミング教育や1人1台端末を活用した主体的・対話的で深い学びについて」「思考力・判断力・表現力等を高める授業づくりについて」の2点を柱に意見を交わした。
参加者からは、「外国語活動では、教師の説明がタブレットでの画面を電子黒板に提示していて分かりやすかった。児童は、タブレットを使い、何度も発音の仕方を確認する姿が見られた」「社会科では、自分の課題をロイロノートに打ち込み、共有したことによって、他の児童の考えを知り修正する姿が見られた」などの意見が挙がった。
協議後、道教育大学旭川校の山中謙司准教授が「育成を目指す資質・能力と個別最適な学び・協働的な学び」と題して講演。学習指導要領の趣旨および改訂の背景、ポイントを説明したほか、「主体的・対話的で深い学び」の視点による授業改善の実例を解説した。また、授業改善の手段としてのICTを活用した授業の具体を提示した。
(学校 2021-11-25付)
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