3年度札幌市教育実践功績表彰 受賞者・校
(札幌市 2022-02-01付)

幌南小学校大牧眞一校長
大牧眞一氏

 札幌市教委は1月26日、ホテルライフォート札幌で令和3年度市教育実践功績表彰式を執り行った(1月31日付8面既報)。学校教育の振興に貢献した12個人と3校が選ばれた。

 受賞者および受賞校の功績はつぎのとおり。

=敬称略=

◆個人表彰

▼大牧眞一(幌南小校長)

 長年にわたり、札幌市の体育科教育の充実に重要な役割を果たしており、管理職となってからも、札幌市教育課程編成の手引の作成委員長、札幌市オリンピック・パラリンピック教育副教材作成にかかる有識者委員、「感染予防に配慮した体育学習」等の資料作成に係る座長などを担ってきたほか、2年度からは道学校体育研究連盟委員長も務めている。

 子どもや教職員が学校づくりに参画する学校経営に努め、子どもの声を積極的に学校経営に反映したほか、小学校における副担任制を導入するなど、学校における働き方改革も含め、前例にとらわれることのない数々の取組を推進している。

▼村元秀之(資生館小校長)

 札幌市教育課程編成の手引の小学校算数科の作成委員を務めるなど、札幌市の算数科教育の中心的役割を担ってきた。

 また、道算数数学教育会の要職を務め、北海道の算数科教育の質の向上と授業研究の普及に貢献してきたほか、初等教育研究会札幌支部の事務局長を担い、筑波大学附属小学校の教諭を招いての公開授業等を企画・運営するなど、算数科教育全体をけん引している。

 道算数数学教育会等の組織および全道各地の学校において、研究会等を通じて助言を行うなど、若手教員の育成に尽力し高い評価を得ている。

▼小池千秋(平岡中校長)

 長年にわたり、札幌市の社会科教育の充実に重要な役割を果たしており、管理職となってからも、札幌市教科用図書選定審議会の委員長、札幌市教育課程編成の手引の作成委員長、研究開発事業「ふるさと札幌の学び」委員長など、数々の授業改善に資する取組を推進している。

 札幌市学校教護協会理事長として、本市の生徒指導の充実にかかる重要な役割を果たし、コロナ禍においても、関係機関との連携をより強いものとし、一人ひとりの子どもに寄り添った指導を推進して、生徒の心身のケアや健やかな育みに努め、生徒指導担当者をはじめとする多くの関係者から、絶大な信頼と高い評価を得ている。

▼氷見登弓(手稲中央幼園長)

 認定こども園にじいろの開園に当たって、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ認定こども園の教育・保育の在り方について、保育士と協働して実践研究に取り組んだ。

 園長となってからも、研究実践園として区の幼児教育の基点としての役割を担い、幼児教育施設や小学校との連携を進めた。

 このほか、手稲中央幼稚園において、園の豊かな自然環境を生かして、幼児が主体的に直接体験し、五感で感じる遊びを重視した科学する心を育てる教育実践を進め、関係者から高い評価を得ている。

▼山田透(信濃小教諭)

 教育研究推進事業でこれまで中心的な役割を担い、熱心に授業研究に取り組んでおり、分かりやすく、楽しい社会科授業の普及に貢献している。

 札幌市教育課程編成の手引の社会科部会作成委員や札幌市教科用図書選定審議会委員などを務めたほか、民族教育においてもアイヌ民族の歴史・文化等に関する指導資料の作成に携わり、オリンピック・パラリンピック教育副教材の作成委員として、小学校第3学年社会科における活用を提案するなど、様々な分野における札幌市の社会科教育の充実に尽力している。

▼丸山未来(啓明中教諭)

 中学校英語科教育において、学習指導要領改訂に当たり札幌市教育課程編成の手引の作成委員を務め、市の英語教育の発展に貢献した。

 平成30年、国の事業である英語教育推進リーダーを養成するための中央研修に参加し、札幌市英語教員指導力向上研修の講師を務めたほか、研修修了者として、札幌市教育研究推進事業や札幌市中学校英語教育研究会等において、豊かな発想で子どもの言語習得の力を伸ばす指導について発表するなど、札幌市の英語教育の推進に大きく寄与している。

▼横内のぞみ(市立札幌開成中等教育教諭)

 中学校家庭科教育において、札幌市教育課程編成の手引の作成委員を務め、豊富な実践をもとに新学習指導要領改訂の主旨に沿った編集に貢献したほか、札幌市の専門研修講座等の講師を複数回にわたって務め、教科指導における課題探究的な学びの普及に尽力している。

 また、不登校への対応の手引き作成委員となり、日常の対応事例をもとに、不登校児童生徒へのきめ細かな対応方法について具体的にまとめるなど、各学校の教育相談力の向上に寄与している。

▼佐藤真由美(あつべつきた幼教諭)

 本市に採用されて以来、遊びを通した幼児期にふさわしい学びが得られる保育を自ら実践し、質の高い幼児教育を推進するため各幼稚園で幼児の指導や同僚職員の育成に当たり、園運営に携わっている。

 平成27年度に札幌市立として初めて設置した認定こども園にじいろで、幼稚園教諭のリーダーとして、幼稚園教諭と保育士の連携における調整役を担うとともに、若い保育士の育成に協力してきた。

 認定こども園から市立幼稚園への異動後も、広い識見と長時間保育のノウハウを市立幼稚園でも生かしていることに加え、全幼稚園教諭が異動したあとの認定こども園を支援している。

 札幌市全体の幼児教育の水準向上のために日々自身の研鑚を続け精進している姿は、園内だけでなく札幌市全体の幼児教育に携わる者の手本となっている。

▼天野将寿(市立札幌新川高教諭)

 平成20年に開校した市立札幌大通高校において、単位制かつ定時制という、特色ある学校運営に必要な単位選択システム・成績評価システム等を構築するなど、円滑な教育課程の推進に当たり大きく貢献した。

 また、4年度から始まる市立高校におけるGIGAスクール構想のモデル校の担当者として、研究を推進し、他の学校に対して、具体的な活用事例を発表したり、指導的な役割を果たしたりするなど、ICTの効果的な活用について尽力している。

 プログラミング教育の推進や大学入試における教科「情報」の導入など、今後の活躍が期待されており、学校内外から極めて高く評価されている。

▼佐藤芳美(北園小養護教諭)

 札幌市および道養護教員会の会長を歴任し、校種を超えた全市・全道の養護教諭の指導的な役割を担っており、養護教員研究大会や基調講演を通して、現代的健康課題に対する先駆的な研究と発信に努め、養護教諭の資質向上に大きく貢献している。

 また、道教育大学札幌校や、札幌市立大学で非常勤講師として後進の指導にあたり、次代を担う人材育成に尽力している。

 養護教諭として、子どもの発達過程を幅広く捉え、児童の心身の健康の保持増進に向けた継続した保健指導を実践しており、不登校児童の未然防止や心の健康など、学校が抱える諸課題へ専門性を生かした関わりを行い、学校運営の推進に大きく寄与している。

▼水谷真奈江(山鼻中栄養教諭)

 平成30年から令和元年度の間、手稲区の栄養教諭・栄養士をまとめるブロック長を務め、ブロック運営を総括するとともに、給食の献立作成や食に関する指導の充実等に取り組み、札幌市の食育をけん引してきた。

 平成26年から実施している児童生徒の健康と食生活に関する調査の立ち上げに携わり、調査結果を市内の学校に情報提供するなど、子どもたちの生活習慣や食習慣の改善について中心的な役割を果たした。

 札幌市学校給食栄養士会の副会長を務めたほか、現在は道栄養士会学校健康教育栄養士協議会会長として、全道の栄養教諭、学校栄養職員を対象とした研修会を開催するなど後進の育成に尽力している。

▼椎名ひろみ(向陵中事務長)  

 平成29年度から西区の学校事務職員をまとめる学校運営支援担当係長として、西区のグループ運営を担うとともに、学校事務職員の共同実施組織の検討メンバーの一人として、当初から仕組みづくりに携わってきた。

 2年度に学校運営支援室が設置されると、初代学校運営支援室長(事務長)に就任し、教育委員会の関係各課や各区のグループ長と連携をしながら、学校事務の適正化に努めるとともに、今後の学校事務職員の職域拡大の推進に尽力している。

 また、チーム学校の一員であることを常に意識し、よりよい職場環境の構築を図るため、教員の勤務時間縮減を目指した職員会議の時間短縮に取り組むなど、学校の働き方改革に大きく貢献している。

◆学校表彰

▼中央小学校(紺野宏子校長)

 2年度に、端末の導入に向けて、校内での端末活用の可能性について先行研究を進め、特に札幌市の1人1台端末活用のガイドラインにおいて、小・中学校間で端末を通してスピーチの交流を行うなど先進的な事例を示したほか、共同編集できるデジタルホワイトボード、振り返りの際にアンケート機能を活用するなど、授業中におけるソフトウェアの具体的な運用例を示し、3年度から多くの学校の参考となる実践事例となった。

 また、ICTフォーラムで1年間のモデル研究校の実践をイメージが伝わるように動画をまとめ、札幌市の1人1台端末の活用モデルを提示した。

 3年度には、さっぽろっ子「学び」のススメとも関連させ、端末を通して「まほうのかいわ」を意識した取組も家庭に推奨したほか、ソフトウェアを活用した授業の構築等、様々な場面で先行した研究を行うことによって札幌市立小・中学校のICTを活用した教育の先駆けとなっている。

▼中央中学校(木村佳子校長)

 2年度に、端末の導入に向けて、校内での端末活用の可能性について先行研究を進め、特に札幌市の1人1台端末活用のガイドラインにおいて、書写や理科、英語科の授業での活用例、ソフトウェアを活用した事例、日常生活では朝学活や生徒会活動での活用などの運用例を示し、3年度から本格的に導入された多くの学校の参考となる実践事例となった。

 また、ICTフォーラムでは、同校における1年間の様々な実践を動画でまとめ、札幌市の1人1台端末の活用モデルを提示した。

 3年度は、他校に先立ち、平常時の家庭への持ち帰りを試行したほか、各教科でソフトウェアを活用した授業の実践、アプリを利用して自学自習できる場を設定した放課後学習会の取組、不登校生徒に対する支援や通級指導教室での活用等、様々な場面で先行した研究を行うことによって、札幌市立小・中学校のICTを活用した教育の先駆けとなっている。導入時の取組や使用した資料、授業での実践資料、生徒の様子などはホームページのトップページに随時掲載され、保護者や地域住民、他校教職員に広く公開されている。

▼札幌新川高校(熊谷修司校長)

 2年度の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う臨時休業の際、いち早くICTを活用した授業を展開し、学びを止めないための授業を実践するとともに、他の市立高校に対しても具体的な活用事例を提示し、指導的な役割を果たすなど、ICTの効果的な活用に尽力した。

 市立高校・特別支援学校の担当教員で構成されるICT連絡協議会において、実践例を他校と共有するとともに、4年度から始まる高校のGIGAスクール構想における各校の進ちょく状況や課題などについて、全ての市立高校が円滑に作業を進めることができるよう情報を発信している。

 校種間の連携に資する取組としても、日ごろから隣接の小・中学校と交流し、ICTの活用や新学習指導要領に向けた評価方法等について教員同士が理解を深めている。また、授業の中で高校生が小学校に赴いて読み聞かせをするなど情操教育にも貢献している。

この記事の他の写真

資生館小学校村元秀之校長
村元秀之氏
平岡中学校小池千秋校長
小池千秋氏
手稲中央幼稚園氷見登弓園長
氷見登弓氏
信濃小学校山田透教諭
山田透氏
啓明中学校丸山未来教諭
丸山未来氏
開成中等教育学校横内のぞみ教諭
横内のぞみ氏
あつべつきた幼稚園佐藤真由美教諭
佐藤真由美氏
6I、新川高等学校天野将寿教諭
天野将寿氏
6J、北園小学校佐藤芳美養護教諭
佐藤芳美氏
6K、山鼻中学校水谷真奈江栄養教諭
水谷真奈江氏
6L、向陵中学校椎名ひろみ事務長
椎名ひろみ氏

(札幌市 2022-02-01付)

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