石狩小・中女性管理職会が冬季研 人とのつながり大切に 校長6人が後輩にアドバイス
(関係団体 2022-02-09付)

女性管理職会
オンラインで開催した研修会では、学校経営や管理職としての働き方などのポイントを示した

 石狩管内公立小・中学校女性管理職会(橋本由美会長)は3日、オンラインで冬季研修会を開いた。この春に退職する校長の講話やグループ討議を実施し、各校の学校経営の充実や会員相互の連携強化を図った。講話では、「人とのつながりに助けられた」と、人間関係の大切さを強調する声や、「健康第一。自分がすり減ってはいい仕事はできない」「人に委ねることも大切」「やりたいことをやって楽しく仕事を」などのアドバイスが寄せられていた。

 研修会は、石狩管内の公立小・中学校の女性校長と教頭が一堂に会し、職能の向上を図るもの。

 今日的な教育課題について研修を深め、会員各校の学校経営を充実発展させるとともに、女性校長・教頭が学び合い、会員相互の連携を深めることもねらっている。

 研修会では冒頭、竹島美智代副会長があいさつ。「勇退される校長先生方は、みんな、個性的で温かく、頼りになる方だった。短い時間ではあるが、どうか後輩たちに、教員人生における気づきや思いを聞かせていただきたい」などと述べた。

 このあと、江別市立大麻小学校の安部紀江校長ら、3月で退職を迎える校長6人が講話。その後、グループ討議を行い、学校経営の一層の充実を目指した。

 校長6人の講話概要はつぎのとおり。

▼江別市立大麻小学校・安部紀江校長

 教頭になった当時、この会への参加はおっくうだと思った。

 しかし、校長になり、課題に直面したとき、会に相談し、親身に聞いていただき大変救われた。

 本音で語れる人間関係、つながりの大切さを感じた。皆さんもぜひ交流し、つながりを深めてほしい。

 日々一生懸命仕事をすることは大切だが、休息も必要。木を切るのに忙しくておのを見ないでは本末転倒。自分がすり減っていてはいい仕事はできない。

 忙しいという字は「心が亡びる」と書く。仕事がいくら忙しくても、自分をいたわることを忘れないでほしい。

 全て自分でやろうとせず、任せることが大切。要所要所で確認し、結果が良かったらその人の功績。悪かったら自分のせい。それでいい。他の人に任せる勇気が大切。

 仕事に生き生きと取り組み、信頼され、あんな風になりたいと思われる人になってほしい。人とつながり、心を動かし、やりがいを持って仕事に当たってほしい。

▼江別市立大麻東小学校・宮崎智子校長

 女性管理職会は、普段の仕事に加え「プラス1」の仕事は大変だなと感じていた。しかし、女性同士でなければなかなか話せないことや、たくさんの知恵、方策、元気をもらえた。

 石狩では、ネットワーク、フットワーク、チームワークがキーワードと言われている。この言葉をぜひ皆さんでつないでいってほしい。

 一人で何かをやろうとしても難しい。人とのつながりを大切にし、会を盛り立てていってほしい。

 とにかく健康第一。頑張りすぎて倒れることのないよう、教えるより委ねることが大切。

▼恵庭市立柏陽中学校・森岡理惠校長

 教頭になりたてのころは部活動などにも関わりながら夜中まで働いていた。子どもと離れるのがイヤだった。校長先生は怖くて、まるで軍隊のようだった。

 そんなとき、つらいときに相談したり、お話しができたりするつながりを持てたのは大きかった。

 教頭職で一番楽しかったのは、子どもの変化につながっていく取組ができたとき。学校経営というのはこんなに子どもを変えることができるのかと驚いた。

 調査に追われ、校長に気を使い、仕事に追われながらも、1つ2つやりたいことをやり、形になって表れたときは、やって良かったと思った。

 忙殺されながらでも、やりたいことはやった方がいい。少しでも楽しんで仕事をしてほしい。

 警察庁は「子供の性被害防止プラン(児童の性的搾取等に係る対策の基本計画)2022」(仮称)案を公表した。今後5年間をめどに取り組むべき97の施策をまとめた。新規施策として、児童生徒に対して性暴力に及んだ教育職員の原則懲戒免職の徹底や、教育・保育施設等で働く際に性犯罪歴等についての証明を求める仕組(日本版DBS)の導入に向けた検討、子どもの性被害に対処するための刑事法の整備などを盛り込んでいる。17日までパブリックコメントのほか、子ども、保護者からの意見を募集している。

オンラインで開催した研修会では、学校経営や管理職としての働き方などのポイントを示した

飽くなき探究心を持って

▼北広島市立緑ヶ丘小学校・谷口みどり校長

 私が心がけてきたこと、学んだことは、人とのつながり。校長の仕事は人事と決断。私はコミュニケーションが苦手で、やりたいことだけに目が向いて突っ走って失敗しては叱られ、校長先生に「根回しを覚えなさい」とよく言われた。

 結局、人とのつながりに助けられた。働き方改革の最たるものは人員の確保。学習指導員やスクール・サポート・スタッフなどはフルに入れてもらっている。

 心が折れそうなとき、助けてくれるのは人とのつながり。校長は孤独である。校長会や各種研究会など、つながりがあればあるほど楽になる。

 決断に必要なのは根拠。特に法令と数字、ここにこう書いてあるから決断した、と言えるように。

 どうか皆さんには飽くなき探究心を持って、常に挑戦者でいてほしい。やりたいことがたくさんあり、チャレンジできるのは幸せである。

▼千歳市立祝梅小学校・橋本由美校長

 苦しかったとき、足踏みしたとき、いつも背中を押してくれたのは人の力だった。

 管理職は孤独。特に私は寂しがりなので、人とお話ししていたい。それがなかなかできないが、この会ではズームやメールなどで気軽にお話しすることができ、そのおかげできょうまでやってこれたと思う。

 教頭は、一人ひとりとのつながりを持てれば、仕事がスムーズになっていく。まず自分から声を掛けることが大切。きっとそれが皆さんの宝物になる。

▼石狩市立石狩中学校・坂田育子校長

 たくさんの人に助けられてここまで勤めることができた。

 幸せというのは、他人との比較ではなく自分の実感。ポイントは①やってみよう②ありがとう③何とかなる④ありのままに。

 やらされ感が多くなってきてはいるが、教頭がやりたいことをやれるような環境をつくってあげたい。

 皆さんはきっと「こんな学校をつくりたい」という思いを強くお持ちだと思う。私は恥ずかしながら、教頭のときそういう気持ちがまひしてしまった。

 皆さんはぜひ「こうしたい」という思いを強く持って、自分の望むような学校をつくってほしい。幸せはつながるもの。校長が幸せならば、教頭も、先生方も、子どもたちも幸せ。

 幸せな学校にするのに一番大切なのはコミュニケーション。それをうまくつなげるのが女性管理職である。私たち女性の得意な分野である。どうかご自身が幸せになり、幸せな学校にしてほしい。

(関係団体 2022-02-09付)

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