上川へき・複連が教育経営研修会　地域活動と学び連続し　教職大学院・水上教授講演

（関係団体 2022-02-03付）

　【旭川発】上川へき地・複式教育研究連盟（温泉敏委員長）は１月中旬、第４５回上川へき地複式教育経営研修会をオンライン開催した。会員ら７４人が参加。道教育大学教職大学院の水上丈実教授による講演、全道各地で行われた研究大会に参加した会員からの報告を通して資質向上を図った。

　上川管内のへき地学校、複式学級を有する学校が「地域の教育課題を踏まえ、家庭・地域社会と共に子どもを育成し、魅力ある学校経営の創造」に向けて、経営上の諸問題について研究交流を行うもの。

　あいさつに立った温泉委員長は、別海町立上春別小学校の公開研究会に参加したことを報告。「上春別小は本年度から複式になった学校。教員の授業に向かう意欲や熱心な検討会は非常に素晴らしい。この熱意ある取組を全道に広げていきたい」と呼びかけた。

　続いて、水上教授が「今後、求められるへき地・小規模校教育の在り方」と題して講演。

　自身の学校観として「地域・家庭の信頼を得ると教育効果は教師の力量以上に高まる」と述べた。教員時代、地域の神社祭で子どもたちの参加場面を用意するため奔走した経験を話し、地域活動と学びの連続性を求めた。

　講演では、①特性を生かした道徳科の授業づくり②ＧＩＧＡスクール構想・ＩＣＴの効果的な活用③今後の学校力向上・授業改善策の提案―の３点について話を展開。

　うち、③では教科レベルの汎用的な資質・能力を伸ばすことの難しさを示しながら「教科等横断的な学び」「言語活動」「教育の目的と手段」が鍵になることを指摘。札幌市立美しが丘緑小学校の算数科の授業づくりの計画を参考に、これからあるべき学びの形を提案した。

　引き続き、池田幸則研究部長（中富良野町立西中小校長）が全道へき地複式教育研究大会オホーツク大会、浅野潔裕研究部副部長（士別市立上士別小教頭）が管内北部地区大会、神野伸二研究部副部長（東川町立東川第三小教頭）が管内中部地区大会、青山貴研究部副部長（南富良野町立南富良野西小教頭）が管内南部地区大会について、それぞれ報告した。

　また、経営部の長井香征上川町立上川小教頭が各校で行った実態調査の結果報告を行った。

(関係団体 2022-02-03付)