北見市4年度教育行政方針 ICTで個別最適な学び 外国人児童生徒教育を推進(市町村 2022-02-17付)
志賀教育長
【網走発】北見市教委の志賀亮司教育長は、15日開会の市議会第1回定例会で4年度教育行政方針を説明した。学力向上に向け、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めるとともに、ICTを活用した個別最適な学びと協働的な学びを進める考えを示した。外国にルーツを持つ児童生徒が増加傾向にあることを踏まえ、「異なる文化への理解を深められることを強みとし、その意義・効果の観点を踏まえながら外国人児童生徒教育を推進していく」と述べた。
教育行政方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育の充実】
▼信頼に応える学校づくりの推進
現在、市立学校では学校運営協議会を設置し、活発な議論がなされていることから、コミュニティ・スクールとしての機能の充実を一層図っていく。
小中連携に向けて、教育課程の共有、学びの連続性や学習規律などの連携によって、授業改善の視点を同一化する取組を引き続き進めていく。
今日的課題を踏まえた研修を充実し、教職員の資質・能力の向上に努めるとともに、教育公務員としてのコンプライアンスの一層の徹底や働き方改革に取り組んでいく。
▼確かな学力を育成する教育の推進
学力向上の取組では、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めるとともに、ICTを活用した個別最適な学びや協働的な学びを推進していく。
子どもたちの自ら学びに向かう原動力を培うためにも、ICTを活用した家庭学習などの取組を推進するとともに、指導力向上研修の内容を充実させ、計画的なステップアップを図り、令和の新しい学びのスタンダードの確立に一層努めていく。
国際理解教育では、増加傾向にある外国にルーツを持つ児童生徒が在籍していることを学校の課題として捉えることなく、異なる文化への理解を深められることを強みとし、その意義・効果の観点を踏まえながら外国人児童生徒教育を推進していく。
特別支援教育では、市特別支援教育の指針に基づき、一人ひとりの教育的ニーズに応じたきめ細かな指導を充実するため、ICT機器を積極的に活用した授業に取り組むとともに、教育支援員、医療的ケア等を行う看護師、特別支援教育コーディネーター、教育活動支援講師を引き続き配置する。特別支援学級と通級指導教室へのタブレット端末とデジタルテレビの導入を継続していく。
学校と幼稚園、認定こども園、保育園との連携では、新入学児童の学校生活への円滑な適応に向けて、教育支援委員会、幼保小三者協議会や特別支援教育連携協議会の取組の充実を図り、切れ目のない一貫した指導や支援を行っていく。
▼豊かな心や健やかな体を育成する教育の推進
道徳教育では、道徳性を養う考え、議論する道徳授業への質的転換を図るとともに、教育活動全体を通して、児童生徒が自己を見つめ、物事を広い視野から多角的・多面的に考えることができるよう、指導の充実を図っていく。
いじめ対策では、望ましい人間関係を醸成し、共感的理解を深める教育相談体制を充実させるとともに、アンケート調査や日常的な観察による実態把握に努め、未然防止と早期発見、早期対応を行っていく。
市いじめ防止基本方針に基づく各学校の組織体制を強化し、教職員一人ひとりのいじめ問題に対する意識を高めていく。
LGBTQなど、性的マイノリティの児童生徒への組織的な支援体制を確立することによって、多様性を尊重する教育に努めていく。
不登校対策では、日常的に児童生徒の変化に留意し、早期に教育相談を実施して、悩みや課題の解決を図るとともに、家庭との連携を強化し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどを効果的に活用した未然防止に努めていく。
不登校児童生徒への支援を担う「あおぞらくらぶ」へ通級している児童生徒に対して、学習サポーターによる学習支援や端末を活用したオンライン授業を実施するなど、学習機会の確保に努めていく。
問題行動への対応では、児童生徒との日常的な関わりを深め、家庭と連携した指導の充実に努めていく。
生徒指導担当教員連絡協議会による情報共有と実践交流を通して、学校間の連携を深め、迅速かつ適切な対応ができるよう、学校を支援していく。
【社会教育の充実】
▼学校・家庭・地域が連携し子どもを育てる環境づくりの推進
地域の子育てサークルを対象としたこそだて学級のほか、生活課題や家庭教育に関するセミナー・講演会の開催を通じて保護者への学習支援を行っていく。
乳幼児絵本スタート事業、学校図書館運営相談事業、学校支援セット貸出しを引き続き行うとともに、子どもの自主的な読書活動を推進するため、第4次市子どもの読書活動推進計画を策定する。
土曜日に学校を利用して多様な学習や体験活動機会を提供する土曜学校を実施し、子どもたちの学習の充実に努めていく。
▼健康づくりと競技力向上や地域に根ざしたスポーツ活動の推進
冬季スポーツ振興では、カーリングのまち北見として、アドヴィックス常呂カーリングホールとアルゴグラフィックス北見カーリングホールを最大限に活用しながら、競技人口拡大を目指し、市立学校でのカーリング授業導入支援を継続するほか、市民利用のさらなる促進を図っていく。
(市町村 2022-02-17付)
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