【解説】特別支援教育の学び 校長が鍵
(解説 2022-03-17付)

 少子化に伴い児童生徒数が減少する中、障がいや特別支援教育に関する理解が高まり、特別支援教育を必要とする児童生徒が増加している。

 特別な支援を必要とする児童生徒が通常の学級に在籍することを前提として、文部科学省は元年度から幼稚園、小学校、中学校、高校の教諭免許状を取得する際に特別支援教育に関する科目を1単位以上修得するよう義務づけている。

 文科省の調査によると、特別支援学校の教員の免許状の保有率は平成18年度の61・1%から徐々に上昇し2年度は84・9%に。小・中学校の特別支援学級担当教員で特別支援学校教諭免許状を保有している割合は31・2%。

 在籍校種の特別支援学校教諭免許状の保有率を障がい種別にみると、肢体不自由は85・7%、病弱は80・4%。一方、視覚障がい66・1%、聴覚障がい59・6%にとどまっている。

 特別支援学級等での教職経験がない校長の割合は小学校70・6%、中学校75・4%。小学校の学級全体における臨時的任用教員の割合は11・4%、中学校では9・2%に対し、特別支援学級の臨時的任用教員の割合は小学校が23・6%、中学校が23・9%と倍以上となっている。

 報告ではこうした状況や特別支援教育の学びの重要性を考慮し、学校全体で障がいのある子どもを含む子どもの学びを保障するため、管理職の特別支援教育に関する理解と経験、リーダーシップが不可欠とし、養成・採用・研修の各段階で資質・能力を高める工夫の必要性を示している。教師一人ひとりの学びの成果を学校全体の教育力向上につなげ、個々の教師がつぎの学びに取り組むことができる環境を整備するなど管理職の取組に期待している。

(解説 2022-03-17付)

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