【解説】学生等の自殺 昨年は減少
(解説 2022-03-18付)

 厚生労働省と警察庁は、3年中の自殺状況を公表した。2年と比べ、10代や学生、学校問題による自殺は減少している。

 3年の自殺者数は2万1007人で対前年比74人減。性別では、男性が1万3939人で全体の66・4%。男性は12年連続の減少、女性は2年連続の増加だが、男性の自殺者数は女性の約2倍となった。

 年齢階級別では、50歳代が3618人で全体の17・2%を占め、次いで40歳代が17%、70歳代が14・3%、60歳代が12・6%の順。

 前年比は50歳代が193人増。20歳代、40歳代も増加した一方、60歳代は158人の減少となった。

 職業別では、無職者が1万1639人で全体の55・4%を占め、次いで被雇用者・勤め人6692人(31・9%)、自営業・家族従業者1298人(6・2%)、学生・生徒等1031人(4・9%)の順となっており、前年と変わらない。

 前年比は無職者が前年から大きく減少し79人の減。被雇用者・勤め人、学生・生徒等も減少した。一方、自営業・家族従業者は32人増加した。

 自殺の原因は2年連続で順位が変わらず、健康問題が9860人で最多だが最も大きく減少し335人減。2位の経済・生活問題は最も大きく増加し、160人増の3376人となった。3位の家庭問題は72人減の3200人。原因別で最下位の学校問題は405人から370人に減少している。

 都道府県別では24府県で減少、23都道府県で増加。北海道は950人から977人に増加した。

 統計上の扱いは小さいが、昨年全国で小学生11人、中学生148人、高校生314人、大学生434人、専修学校生等124人の計1031人の貴い命が失われている。

(解説 2022-03-18付)

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