札幌市小学校長会 3年度研究成果 研究集録から 第2回 「学ぶ力」育成部〈中〉(札幌市 2022-06-23付)
◆副主題:「学ぶ力」を育む豊かで確かな学校経営の在り方
【2年間の取組】
▼仕組みづくり・組織づくりの視点から
学校組織の中で「教職員組織が主体的に動き出す」共通の問題意識や課題・目標の醸成に向けた2通りの流れ
▽校長が児童の姿から見える課題を見出し、その根拠を明確に示す→教職員が問題意識を共有し、共通の評価基準を持って日々指導することを通して、教職員集団が一体となり主体的に「学ぶ力」の育成に向かう
▽教職員の問題意識を解決に結び付けるため、校長と教職員との意思疎通を図る→コロナ禍等で制約のある中でも、教職員の「児童の学びや成長を意図する指導を進めたい」という願いを実現する方法や手立てを明確にする
〈教職員が主体的に動く組織の編成に向けた仕組みづくり〉
▽マネジメントサイクル
「児童の姿から見える共通の問題意識共通の課題・目標」+「方法や手立ての明確化」⇒マネジメントサイクルの確立、サイクル・ループ期間を短く
校長は、問題や目標が共有できるようにすると同時に、組織の役割や機能を明確に示す。そして、教職員組織の教育力の抑えをPDCAサイクルやOODAループ等で共有、仕組みを確立し、組織の実効性を向上させる関わりを持つことで、主体的に動く組織を生む。このPDCAサイクルやOODAループを機能させる校長の関わりが重要である。
〈現状の問題意識の共有や課題・目標の共有〉
〈組織の役割・機能の明確化のために〉
▽実効性を生む手立て
・評価の基準の明確化
・日々の学校内での意識付け
〈仕組みの確立のために〉
▽教職員が同じ方向性をもつ
・HPでの紹介⇒目指す子ども像を教職員、児童・保護者が共有
・評価基準をもとにした児童の実態を教職員間で共有⇒今後の指導の目標化も明確に共有
目標に向けた手立てを主体的に見いだす職員の増加
▽組織の実効性の向上のために
「しっかり聞く」「すすんで取り組む」⇒主体的・対話的で深い学びを育む授業像に⇒授業改善に向けた研究内容の明確化と共有につなげる
▽教職員が主体的に動き出す
「現状の問題意識の共有」「課題・目標の共有」「組織の役割・機能の明確化」「仕組みの確立」「組織の実効性の向上」⇒学校教育力の向上⇒「学ぶ力」の育成
組織等を活性化させ、教職員の主体的な動きを生む指導性を校長が発揮することで、学校の教育力の向上が図られ、子どもの「学ぶ力」の育成につながっていく。
▼カリキュラム・マネジメントの視点から
「学ぶ力」育成のためには、教職員が育成プログラムを自分事とし、機能していくことが大切である。そして、子どもたちの実態を見据え、実行と改善を繰り返す「主体的なカリキュラム・マネジメント」を行っていく必要がある。その2つの視点を示す。
〈カリキュラム編成、運用、評価への校長の関わり〉
・カリ・マネのロードマップ提示と、育成プログラムの検証と関わり
▽ロードマップで見通しを持つ
「カリ・マネ」ロードマップを作成・提案し、互いに見通しを持てるように関わる
▽育成プログラムを自己評価
「学ぶ力育成プログラム」をもとに評価表を作成・提示して学校としての到達状況を教職員と共有
・指導計画の見直しのファシリテート
これらの視点から指導計画を再構成し、自分たちの改善の意義方向性を生み出す校長の関わりが重要である。
▽見直す視点を提案する
指導計画等の見直しをファシリテートし、教職員の動き出しを支援する関わり
〈校長の教職員への日常的・即時的関わり〉
カリキュラム・マネジメントを円滑に進めるため、担任の指導に共感したり、より指導の効果が上げられるようアドバイスをしたりする。
▽カリ・マネを支える校長
・毎日、午前、午後で全学級を観る、校長資料で好事例を共有・啓発
▽カリ・マネの継続が学ぶ力を育成
教職員とともにカリキュラム・マネジメントを進める校長の関わり
・子どもも教職員も成長(伸びる)する
・これまでの「紙キュラム」が見直しされ、生きて運用する「カリキュラム」へ更新する
(札幌市 2022-06-23付)
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