道研 実践的指導力向上研修 統計学 基礎を理解 札幌学院大の中村教授講義(道・道教委 2022-07-06付)
講義する中村教授
道立教育研究所は6月中旬、同所で「商業科教員を対象とした実践的指導力向上研修」を開催した。札幌学院大学経済経営学部の中村永友教授が「情報の分析と統計的な推測」をテーマに講義し、記述統計と推測統計について説明を行った。講義は同日開催した「情報科教員の実践的指導力向上研修」の参加者にもオンラインで同時配信した。
科学的な根拠に基づいた、情報の集計・分析や経営資源を最適に組み合わせて適切にマネジメントを行うために必要な資質・能力の育成に向け、体験的な学習活動を取り入れた授業づくりについて理解を深め、実践的指導力の向上を図ることが目的。
中村教授の講義・演習は同日、遠隔型で行われた「情報科教員の実践的指導力向上研修」の参加者にもオンラインで同時配信した。
中村教授は「データサイエンスにおいて、統計学はど真ん中」「高校の数学科・情報科・商業科において、データの分析・統計的な推測は避けて通れなくなった」と指摘。
統計学の導入として、統計学には大きく分けて①記述統計②推測統計―の2つがあることを説明。
①は「手元のデータの状況・傾向のありのままを表現するための手法のこと」、②は「データの背景にあるそれを発生させる何らかの機構・仕組み・理論があると仮定し、それを探るため、あるいは将来の事象を予測するための手法」「母集団を仮定し、それを検証・近似するための統計モデルを構築すること」と述べ、統計学では、これらをもとにデータの分析や統計的な推測を行うことを解説した。
つぎに、説明・演習「科目『情報処理』における統計的手法について」では、道研職員が、本年度から共通必履修科目になった「情報Ⅰ」の代替科目「情報処理」について説明。
専門学科における専門教科・科目の履修では、必履修教科・科目と同様の成果が期待できる場合においては、その専門教科・科目の履修をもって必履修教科・科目の履修の一部または全部に替えることができることを説明した。
ただし、機械的に代替が認められるものではなく、「代替する場合には、各学校には説明責任が求められる」と注意を促した。
このあと、ビジネスデータを活用した統計的手法による「問い」について、自校の地域をもとにした授業案を作成した。
参加者同士ペアを組み、考案した授業案を説明し合い、より良いものになるよう意見交換。釧路工業高校は観光、北見商業高校は農業を題材にするなど、各地域で盛んな取組に関するデータを活用し、授業案を作成した。
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ペアを組み授業案について話し合った
(道・道教委 2022-07-06付)
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