道教委 4年度全国学力調査結果 小中3教科で全国水準 ゲーム等の長時間化顕著に(道・道教委 2022-07-29付)
道教委は28日、4年度全国学力・学習状況調査結果を発表した。道内の平均正答率は小学校の3教科で全国平均との差を縮め、小学校の理科、中学校の国語と理科でほぼ全国平均並みとなった。授業における端末やICT機器の使用率は全国平均以上。1日当たりの学習時間は減少傾向にあり、ゲームやスマートフォンによるSNS・動画の視聴時間は全国平均を上回っている。
各教科の平均正答率に関して道教委は、国が公表した整数値をもとに小数値を算出し、整数値と併せて発表している。
調査は4月19日に実施。本道の実施校数は小学校949校、中学校568校の計1535校で、小学校6年生と中学校3年生の合計6万7250人が参加した。実施率は98・8%。
教科に関する調査結果をみると、平均正答率は小学校の全ての教科で全国との差が2・1ポイント以内、中学校が2・5ポイント以内となっている。
うち小学校の理科は前回調査の1・5ポイント差から0・4ポイント差、国語は1・5ポイント差から1・2ポイント差、算数は2・7ポイント差から2・1ポイント差と縮小した。中学校は差が広がったものの、国語は0・4ポイント差と全国と同水準だった。
児童生徒質問紙調査の結果をみると、授業で対話的な学習に取り組んでいると回答した児童生徒の割合が上昇。主体的な課題解決の学習に取り組んでいる割合と共に全国と同水準となっている。
自身の長所を自覚している児童生徒の割合は小・中学校で上昇したものの、小学校では全国平均を3・6ポイント下回った。1日1時間以上勉強している割合は小・中学校いずれも下降し、全国平均を下回っている。
1日当たり1時間以上ゲームをしている割合は小・中学校いずれも全国平均を上回り、4時間以上の割合は小学校22・4%(全国平均17・2%)、中学校20・0%(同16・3%)と高い。
今回、新たに調査したスマートフォン等によるSNSや動画の視聴(学習やゲームを除く)時間をみると、4時間以上と回答した割合は小学校が14・6%(同10・9%)、中学校が19・8%(同15・6%)となっている。
授業における端末などのICT機器の使用率は小学校32・5%、中学校23・3%と全国平均を上回る。意見交換や発表場面におけるICT機器の活用状況も全国を上回っている。
学校質問紙調査をみると、主体的な課題解決や対話型の学習に取り組んでいる学校の割合が上昇。検証改善サイクルの確立に取り組む学校の割合も小学校46・2%、中学校49・0%と高く、全国平均を大きく上回っている。
道教委は今後、本年度の成果や課題、管内別の状況などをより詳細に分析し、11月末をめどに報告書としてまとめる予定。
調査結果に関する道教委の倉本博史教育長によるコメントはつぎのとおり。
4年度全国学力・学習状況調査は例年実施している国語、算数・数学に4年ぶりに理科を加えて実施され、本道の状況は小学校の全ての教科で全国の平均正答率との差が縮まるとともに、小学校の理科、中学校の国語と理科の3教科で全国の平均正答率とほぼ同水準となるなど改善の傾向が見られる。
各市町村教育委員会および学校では、新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たない中、子どもたちの学びを保障するため、感染症対策と教育活動の両立に向けて最大限に尽力し、家庭、地域と連携を図りながら、校長のリーダーシップによる検証改善サイクルの充実や主体的・対話的で深い学びの実現に向けた組織的な授業改善、望ましい生活習慣の確立などを着実に進めており、一定の成果として現れつつあるものと受け止めている。
今後も、北海道に住む子どもたちが、確かな学力を身に付け、一人ひとりが自分の良さや可能性を伸ばすことができるよう、小学校と中学校が連携した取組を一層充実させ「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現するためのICTの活用を含めた授業改善や、学校、家庭、地域の連携協働による望ましい学習・生活習慣の確立、少人数学級編制の拡大、小学校高学年における教科担任制の推進など、本道の子どもたちの教育に関わる全ての人たちが一体となった学力向上の取組を引き続き進めていく。
教育関係者や保護者の方々はもとより、広く道民の皆さんの理解と支援をお願いする。
(道・道教委 2022-07-29付)
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