【解説】厚労省の自殺等対策事業
(解説 2022-09-27付)

 厚生労働省は、5年度予算概算要求に、ひきこもり対策や自殺防止に関する新規事業を盛り込んだ。

 ひきこもり支援従事者向けのスキルアップ研修・支援者支援事業(仮称)は、都道府県や指定都市のひきこもり地域支援センターの中堅職員や指導的な立場を担う支援者に対する専門的な研修を実施するもの。

 複雑化・複合化した課題に対する実践的な演習などを通じた支援者のスキルアップ、管内市町村や周辺自治体に対する研修を担う指導者の育成を目指す。

 また、支援者をフォローするため、支援者が悩みを相談できるSNS相談窓口等を設置する。

 自殺に関しては、ゲートキーパー養成・支援事業に39億8000万円を計上。コロナ禍で女性の自殺者数が2年連続で増加し、小中高生の自殺者数も過去最多の水準のため、自殺予防などの取組を強化する。

 国がゲートキーパーの講師を養成し、養成された講師は、各地域での講師を養成し、ゲートキーパーの裾野を広げる。また、同世代・同性のゲートキーパー養成など、集中的な取組を実施(地方自治体向け、補助率3分の2)。さらに、ゲートキーパーが継続的に活動できるようケアを行う(民間団体向け、補助率100%)。

 自殺未遂者に対する地域での包括的支援モデル事業は、自殺未遂者が退院し、地域に戻った際に必要な支援へのつなぎ・継続的支援を行う推進体制を整備するもので、45億円を計上した。

 コーディネーターを配置し、退院後の地域における必要な支援へのつなぎ・継続的支援を実施する。

 また、都道府県が設置する地域自殺対策推進センターと救急病院等の連携体制構築のための定期的な会議を実施する。補助率は100%だが、都道府県は概ね3年程度が上限となる。

(解説 2022-09-27付)

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