【解説】日本型ウェルビーイング実現を(解説 2022-09-22付)
中教審教育振興基本計画部会は20日の会議で、来年度から始まる第4期教育振興基本計画の策定に向けた基本的な考え方(素案)を示した。「日本型ウェルビーイングの向上」「教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」など5つの基本方針を掲げ、2040年以降の社会を見据えたわが国の教育施策の全体像を示している。
ウェルビーイング(well―being)は、心身の健康、社会的に良好な状態、生活への評価など、個人と個人を取り巻く場を踏まえたより包括的に幸福を捉える概念。国や地域の文化的・社会的背景によって捉え方が異なり、同会議は日本型ウェルビーイングの概念整理を行っている。
基本的な方針は①日本型ウェルビーイングの向上・共生社会の実現に向けた教育②社会の持続的な発展を生み出す人材の育成③地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育④教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進⑤計画の実効性確保のための基盤整備・対話―の5点。
このうち①では「主観的な幸福感」「開放的協調性と多様なつながり」「自己肯定感と自己実現」「安全・安心な環境」を教育を通じて向上すること、そのための良好な労働環境など学校(教員)のウェルビーイングの必要性を指摘した。
また、増加する不登校児童生徒、ヤングケアラーや貧困といった多様化・複雑化する子どもたちの支援や、個々の状況やニーズに応じた教育環境の整備など、共生社会実現の施策を網羅的に示した。
審議では、委員が教育のDXの実現に向けた十分な議論や行政における規制緩和、現場目線で改善する視点の必要性を指摘し「社会を支える人材を育成するためのDXを早急に進めるべき」と意見した。
(解説 2022-09-22付)
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