札幌北陽中３年キャリア教育　広い視野で職業選択を　海外勤務のＮＰＯ職員講話

（札幌市 2022-11-21付）

札幌北陽中キャリア講演会

　札幌市立北陽中学校（村松信幸校長）は１６日、３年生キャリア教育の関する講演会を開催した。途上国に医療を提供する活動に取り組む認定ＮＰＯ法人ロシナンテスのスーダン駐在スタッフ・岩吹綾子氏とオンラインで接続＝写真＝。世界で活躍する日本人の話に耳を傾け、より広い視野で職業を選択する意識を養った。

　同校は、３ヵ年計画で総合的な学習の時間におけるキャリア教育を推進。１年次は、３０歳の自分自身を考え、自己実現に向けた目標を考える学習を展開。２年次はなりたい職業とＳＤＧｓを関連付け、道内企業による職業講話を通して地域に貢献する意識の醸成を図った。３年次には、道外や海外で活躍する人材による講話を通して多様な考え方を知り、より広い視野で職業選択を考える力の育成を目指している。

　講演では、途上国に医療を提供するＮＰＯロシナンテスのスタッフとして、スーダンで活動する岩吹氏がオンラインで講話した。

　岩吹氏は大学時代、エジプトへの留学を契機に、海外生活への憧れを抱いたことを紹介。帰国後、民間企業勤務を経て作業療法士の資格を取得。青年海外協力隊として活動後、現在のＮＰＯ法人スタッフとしてスーダンで活動していることを伝えた。

　様々な職業を経験したことを踏まえ「経歴はバラバラだけど、職業を選択する上で大切にしたことは“ワクワクする仕事に就きたい”ということ」と述べた。その上で「社会に出ると大変なことが起こらない仕事はない。だけど、自分が好きなことであれば頑張ることができる」と説いた。

　職業の選択肢は多種多様にあることを説明。海外で働く場合、様々な国や地域があるが「その国の発展の度合いによって社会の仕組みが変わってくる。異文化への理解にためらうことなくコミュニケーションを図り、互いを理解する姿勢が大切」と訴えた。

　このあと、生徒たちは、事前の調べ学習などをもとに「スーダンで生活するのは危なくないのか」「飢餓や水不足などに悩まされることはないのか」「スーダンは合計特殊出生率が高いが、本当に子どもたちが多いか」などと積極的に質問。岩吹氏は、一問一問丁寧に答えた。

(札幌市 2022-11-21付)