札幌日新小 教育実践発表会 交流で学び深め合う 国語、生活など8授業公開(札幌市 2022-11-22付)
交流を通して新たな考え方に気付いていた
札幌市立日新小学校(三浦恵校長)は11日、第16回教育実践発表会を開催した。研究主題「聴き合い 高め合う 子どもの育成~一人一人を学びの主役にする授業の創造」のもと、国語や生活など8授業を公開。ペアやグループでの交流を通して、自他の考えを深め合う学習を展開した。
同校は「あったか日新」を合言葉に、児童一人ひとりの自己肯定感・自己有用感を高める学習を展開。研究の視点に①「聴きたい」が生まれる授業の展開②子どもがつながる教師の関わり―の2点を設定。子ども自身が目指す姿を自覚できるよう促すとともに、既習事項や自らの予想・考えとのズレ、「分からない」という意識を大切にし、ペアやグループでの交流を通して学びを深める授業構築を目指してきた。
本年度は、3ヵ年研究の集大成。実践発表会はコロナ禍を鑑み、7月、11月、12月の3日間に分散して開催。計22授業を公開する計画となっている。
本年度2回目の発表会は、国語や理科、生活、体育、道徳の計8授業を公開した。
うち4年3組(長谷川純教諭、児童数38人)では、国語「プラタナスの木」を公開。単元を通して「“プラタナスの木”の魅力を紹介文にまとめ、1・2組の友達と伝え合おう」という言語活動を設定。場面の移り変わりと登場人物の変化などを結び付けて想像し、交流を通して感じたことや考えを共有したり、一人ひとりの感じ方に違いがあることに気付いたりする資質・能力の育成を目指す。
本時は、8時間扱いの6時間目。長谷川教諭は導入で、全文を1ページにまとめたシートに自分の気付きや考えをメモした前時までの活動を振り返り、本時の学習「紹介文を書くために友達と交流しよう」を提起した。
その際、物語の魅力や登場人物の気持ち、考えを整理し「登場人物がどうしてそう思ったか、感じたかを考えながら交流しよう」と呼びかけた。児童たちは、ペアを入れ替えながら交流した。
10分後、長谷川教諭は児童たちに交流して感じたことを質問。児童たちは「同じ文章でも、友達と考えが違った」「友達と交流することで、登場人物の気持ちが変化するきっかけに気付くことができた」などと発言した。
その上で、交流を再開するよう促した。児童たちは、交流によって変化した自らの考え方や新たな気付きを付箋紙に次々と書き込んだ。長谷川教諭はその間、児童一人ひとりの活動を確認し「公園を守っていく理由が増えたね」「登場人物の考え方が変わる前後で整理できたね」などと声をかけた。
最後に全体で交流。児童たちは「いろいろな場面が積み重なって、登場人物の考え方が変わっていったことに気付いた」などと話し、紹介文の書き方を工夫する次時につなげた。
(札幌市 2022-11-22付)
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