札幌市中学校教頭会　全日研修会　魅力ある学校づくりへ　６部提言、グループ討議など

（札幌市 2022-11-24付）

有意義な研修を期待する林会長

　札幌市中学校教頭会（林康弘会長）は８日、ホテルライフォート札幌で本年度全日研修会を開催した。研究主題「未来を生きる力を育む魅力ある学校づくり～夢をもち未来を創り出す力をはぐくむ活力ある学校づくりの推進」のもと、教育課程部など６部が研究内容について提言したほか、グループ討議や講話を実施。教頭としての資質や職能の向上を図った。

　新型コロナウイルス感染症の影響により、１日日程の研修会開催は３年ぶり。市内中学校教頭ら１００人が出席した。

　林会長はあいさつで、３年ぶりの全日開催を喜ぶとともに、各部の提言発表や各教頭によるレポートについて「私たちの共有財産にし、内容を職場に還元してもらいたい」と呼びかけた。「日常の業務に追われる中、研鑚を積むことはとても大切。貴重な機会の一つとして、有意義な研修になるよう期待する」と述べた。

　続いて、教育課程部、特別支援教育部、生徒指導部、進路指導部、教育環境整備部、法規法令部の６専門部が提言発表した。

　教育課程部では、福移中学校の前忠宏教頭が「札幌市初の義務教育学校・福移学園開校に向けた取組の現状と課題」について、５―４制をイメージした教育課程の構築、校内組織および校務分掌の見直しに関する検討状況などを報告した。

　特別支援教育部では、前田中学校の谷口由香利教頭が「インクルーシブ教育のICTの可能性」をテーマに、旅行的行事や技術分野での授業におけるICT活用例を紹介した。

　生徒指導部では、八軒東中学校の櫻庭康彦教頭が「生徒指導上の問題解決のための教職員危機管理意識の向上の在り方」と題して、生徒支援部新設などを盛り込んだ校務組織の再編を例にした生徒支援の具体例、教頭の役割、デジタル・シチズンシップ教育の定着などを説明した。

　進路指導部では、日章中学校の太田尚代教頭が「探究学習を意識したキャリア教育」をテーマに、同校でのキャリア教育の流れと教員の創意工夫を支える教頭の役割を説いた。

　教育環境整備部では、青葉中学校の三浦雅美教頭が「ICT端末活用の現状を踏まえた、新しい時代の学びに向けた管理職としての役割の考察」と題して提言。ベテラン教員の端末活用状況やICT活用による個別最適な学びに関する考察を踏まえ「学校全体の端末活用が日常となるような職場環境を構築することが今後の管理職の役割だ」とした。

　法規法令部では、篠路西中学校の野澤周教頭が「精神疾患による休務休職について」をテーマに、具体的な事例を挙げながら、休職者等が希望を持って復帰復職できる環境づくりの大切さを訴えた。

　各提言を受け、札幌市教委の廣川雅之児童生徒担当部長が助言したあと、各部２グループに分かれて討議した。

　最後に、札幌市中学校長会の富川浩会長が「学校を創るトップリーダーとして共に考えていきたいこと」と題して講話。学校経営において大切な職場環境と同僚性、学校組織マネジメントの在り方、今後の学校教育の方向性などについて解説した。

(札幌市 2022-11-24付)