ほっかいどう学新聞9号発行 世界初 アイスブーム紹介 流氷からサロマ湖漁業守る
(関係団体 2023-02-07付)

 ほっかいどう学推進フォーラム(新保元康理事長)は、「ほっかいどう学新聞第9号」(A4判、4ページ)を発刊した。今回は、流氷からサロマ湖の漁業を守る世界初の防氷堤、アイスブームがテーマ。アイスブームを考案した元北海道大学総長の佐伯浩氏へのインタビューを掲載しているほか、(株)西村組(湧別)などの協力を得て佐呂間高校で行ったサロマ湖に関する授業内容を紹介している。

 アイスブームは、流氷によるサロマ湖のホタテ漁などの漁業被害を防ぐため、開発局が整備したもの。当時、検討に着手していた佐伯氏は、氷の流速、厚さ、氷盤の辺長、重力加速度から、流氷を止めるワイヤーとネット、フロートからなる構造を考案。固定式や大がかりな装置としなかった理由について「湖内の水質を良好に保ち、漁業者の船の出入りを妨げることがないよう配慮した。網走国定公園の景観を邪魔してもいけない」とし、様々な状況に配慮しながら作業を進めていたことを振り返っている。

 新聞では、サロマ湖における漁業に関する苦闘の歴史も紹介。幾度となく試みた湖口開削をはじめ、国の事業によって7年かけて第2湖口を完成させたことで、ホタテ養殖がますます盛んになったこと、ニシン、サンマ、カレイなどの海水魚の回遊・繁殖も確認されたことなどを紹介している。

 昨年12月に佐呂間高で行ったサロマ湖に関する授業内容も掲載。西村組、北海道高校遠隔授業配信センター、ほっかいどう学推進フォーラムなどが連携し漁業の成り立ちやアイスブームの役割などを紹介したことなどを報告している。

 このほか、第4回ほっかいどう学シンポジウムと連続セミナー渡島・檜山の開催報告をはじめ、全道各地の「みち学習」をサポートしていることなどを発信している。

(関係団体 2023-02-07付)

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