中1ギャップ問題未然防止事業 推進地域 15中学校区に 評価ツール活用しSOS教育
(道・道教委 2023-04-25付)

 道教委は中1ギャップ問題未然防止事業の5年度推進地域として15中学校区を決定した。新規は北広島市西部中学校など5中学校区で、協力する域内の小学校は計32校。本年度は新たに、児童生徒の自殺予防に向けて道教委が作成したアセスメントツール「心と身体のチェックリスト」を活用してSOSの出し方に関する教育の研究を推進する。

 事業は平成26年度から開始。小・中学校間の円滑な連携体制を構築して学習指導と生徒指導を関連付けた教育活動の改善・充実を図ることで児童生徒のより良い人間関係を築く力を育成し、不登校児童生徒数の減少など生徒指導上の諸課題の解決を図ることを目的としている。

 本年度の推進地域は前年度と同数の15中学校区、協力校は32校。推進地域の中学校の指定校には生徒指導に関する教員1人が加配される。

 各推進地域においては中学校区を単位とした中1ギャップ検討委員会を設置。子ども理解支援ツール「ほっと」をはじめとする各種調査結果から客観的なデータに基づくPDCAサイクルを確立し、中1ギャップ解消プランの作成や生徒指導に関する合同研修会の開催に取り組む。

 また、ソーシャルスキルトレーニングなど児童生徒の人間関係を構築する特別活動の改善・充実、小中9年間を見通した教育課程の編成・実施、ICTを活用した学習支援、教育相談や保護者連携の実践研究を行う。

 本年度は新たに、1人1台端末から児童生徒の心身の状況を把握できるアセスメントツール「心と身体のチェック」を活用したSOSの出し方に関する教育を推進する。同ツールは「怒り」「いら立ち」「身体の不調」「不安」「無気力」「環境のストレス」の状況をエクセルで入力することで個々の児童生徒の詳細や学級全体の状況を一覧化するもので、昨年12月に作成・公開した。

 第1回の運営協議会は5月17日にオンラインで開催する予定。事業概要の説明や実践発表を行い、円滑な事業の実施を図っていく。

 5年度の推進地域となる中学校区と協力校はつぎのとおり。

▼空知=滝川市江陵中(第一小、第二小、江部乙小)

▼石狩=北広島市西部中(西部小)―新規

▼後志=小樽市松ヶ枝中(山の手小)―新規

▼胆振=登別市鷲別中(鷲別小、若草小)

▼日高=様似町様似中(様似小)

▼渡島=北斗市上磯中(上磯小、久根別小、谷川小、沖川小)―新規

▼檜山=厚沢部町厚沢部中(厚沢部小、館小、鶉小)

▼上川=旭川市光陽中(豊岡小、東町小)、鷹栖町鷹栖中(鷹栖小、北野小)

▼留萌=留萌市留萌中(東光小、緑丘小、潮静小)―新規

▼宗谷=枝幸町枝幸中(枝幸小、目梨泊小、岡島小)

▼オホーツク=遠軽町遠軽中(遠軽小、東小)

▼十勝=芽室町芽室中(芽室小、芽室南小)

▼釧路=厚岸町太田中(太田小)

▼根室=根室市立柏陵中(花咲小、成央小)―新規

(道・道教委 2023-04-25付)

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