道教委が社会教育セミナー開催 持続可能な社会への学びを 文教大 青山准教授が講演(道・道教委 2023-06-07付)
青山准教授は持続可能な社会に向けた学びの視点を示した
道教委は1日から2日間、札幌市内のかでる2・7で道社会教育セミナーを開催した。新テーマ「持続可能な社会の実現に向け、地域の可能性を引き出す学びをつくる社会教育のあり方」のもと、講話や基調講演、研究協議などを展開。約200人が参加し、社会教育を基盤とした地域コミュニティーのさらなる充実に向けて研鑚を積んだ。
セミナーは社会教育主事等の専門性向上とともに地域における生涯学習・社会教育を推進する上での課題や解決について理解を図ることがねらい。5年度から新たな研究テーマのもと、5ヵ年計画で社会教育におけるデジタル技術の活用や、高齢者等によるデジタル技術活用による社会参画について研究を進める。
セミナーには関係する行政職員、社会教育委員等各委員、社会教育関係団体などから約200人が参加した。
冒頭、北村英則教育部長があいさつ。人口減少や少子高齢化の進行、情報技術やグローバル化の進展など、人々の価値観やワークスタイルが大きく変わる中「地域産業を支える担い手不足やコミュニティ機能の低下など、社会の活力が失われつつある」と危惧した。
社会教育関係者を主体とした地域課題の解決に向けた取組が、道教委の施策の柱に掲げる「“地域と歩む持続可能な教育の実現”と一致する」と述べ、日々の継続的な活動に謝意を示した。その上で、セミナーによる実践交流を通して、取組のさらなる充実を期待した。
続いて文部科学省総合教育政策局地域学習推進課の榎木奨悟課長補佐が「現代社会における社会教育の役割」をテーマに講話。道教委社会教育課の五十嵐秀介課長補佐が道教育推進計画をもとに社会教育の振興方策を示したほか、生涯学習推進センターの中西めぐみ主査が今後の研究の方向性を示した。
説明後、文教大学の青山鉄兵准教授が「持続可能な社会教育の在り方」と題して基調講演。1992年の国連環境開発会議を契機として「持続可能性」への社会的関心の向上と急速な普及が進む一方、概念を捉える困難さから使用に注意が必要とし「本来は考えるためのキーワードだが“考えない”ために使われることも多い。批判的に見る姿勢や自分で考えることが大切」と呼びかけた。
また、持続可能な社会に向けた学びの視点として「地域や暮らしをつくる学び」「社会問題を解決する学び」など6点について説明。障がい者のための生涯学習、リカレント教育、参加・体験型学習の重要性を強調した。
2日目は「地域のつながりづくりに向けた社会教育の在り方」をテーマに研究協議を実施したほか、青山准教授が講師となり「生涯学習・社会教育に関する基本的事項や今日的な課題について」をテーマに基礎講座を行った。
(道・道教委 2023-06-07付)
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