日々の活用がヒントに　道教委が指導主事等研修会　水谷氏　春日井市の活用事例紹介

（道・道教委 2023-08-17付）

道教委指導主事等研修会

　道教委は１日、指導主事等研修会をオンラインで開催した。文部科学省ＤＸ戦略アドバイザーを務める春日井市教委教育研究所教育ＤＸ推進専門官の水谷年孝氏が講師となり、端末とクラウドを効果的に活用した授業実践や生成ＡＩの校務利用を紹介。１クラスに多様な学びが同居する新しい授業の姿を示した。

　研修会は各学校における学習指導要領の着実な実施や教育諸課題への対応に向けて指導主事等としての資質・能力の向上を図ることがねらい。

　道庁別館を主会場としたハイブリッド開催で、道教委・市町村教委の指導主事約１７０人が参加した。

　はじめに水谷氏は、端末を活用した調べ学習や共同編集、生徒同士の討論、教員による個別指導など、１クラスに多様な学びが同居する春日井市の中学校の授業を紹介。問題の解決方法が「与えられるもの」から「自分で探していくもの」に変化することで学びの質が向上し、支援が必要な子どもにも手が行き届いている現状を伝え「学びに多様性が生まれている状況を、教師自身が受け入れることが大切」と述べた。

　また、複線型の授業を実現するためのポイントとして目指す授業や子ども像を明確にする必要性を指摘。日常における積極的なＩＣＴの活用が授業づくりのヒントになるとし、日々の活用や模擬授業など「体験」の重要性を説いた。

　生成ＡＩの活用例も取り上げ、保護者向けセミナーの案内状作成に活用することで所要時間が従来の４分の１に短縮できたことを報告。「業務の負担軽減や質の向上につながり、使用が広がっている。まずは教員が使用して活用の方法や危険性を感じることが大切」などと呼びかけた。

(道・道教委 2023-08-17付)